他人と自分を比べて生きる癖がついていると、他人の持っているモノや能力が羨ましくなり、持っていない自分のことを低くみて辛くなったりします。
また、何かしようと思った時に周りの目を気にしすぎて躊躇し、自信を持って行動できなかったりと生きづらさを感じる事も多くなります。
しかし、人と比べない生き方をしたいと決心し「人と比べるのはもうやめよう!」と心に固く誓ったとしたとしても
実際のところ、人と自分を比べる癖というのは簡単には改善していきません。
何故なら人と比べる思考の癖は、こころの深い部分に根付いているので、いくら表面的に「もう人とは比べない!」と決意したところで、急にそう思わないようにすることは難しいからです。
では、解決策はないかというとそういう訳ではありません。
心理療法を使ったとても簡単で良い方法があります。しかもこの方法は自分一人で実行することができ、効果も実証されている方法です。
それでは、まずその方法についてお話する前に、他人と比べることがなぜ生きづらさを生むのかについて簡単に整理しておきましょう。
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人と比べることのデメリット
人と比べる事でどのようなデメリットがあるのでしょうか?
他人と自分を比較する最も大きなデメリットは、人と比較することで「自分を低くみてしまう」ということでしょう。
自分と他人を比べること自体は本来悪いことではない
実際のところ、自分を他人と比較すること自体は悪いことではありません。
というのも、人間は一人一人個性があり、外見や能力など持っているものが異なります。
背が高い人もいれば低い人もいるでしょうし、走るのが速い人もいれば遅い人もいます。頭の回転が速い人もいれば慎重にじっくりと思考する人もいるでしょう。
それらを比較し「純粋に持っているものが違う」という視点でみるのは、自分や他人はこんな人間なんだと知ることに繋がるからです。
だから比べること自体には何も問題はないのです。
自分を劣っている、ダメな人だと考える事が問題
しかし、問題はここからです。
先程お話した一人一人の違いについて、「純粋に違う」という視点でみることができていれば良いですが、比較して「優劣をつけ裁く」ことをし始めると途端に苦しくなります。
優劣をつけ裁くとは、例えば「他の人と比べて頭の回転が鈍いから、自分は劣っている」「自分は〇〇さんと比べて可愛くないから、ダメだ」というような感じで、
人と比較して自分を「ダメだ」「劣っている」などといって評価することです。
自分を裁くことで自信が失われる
自分をこのようにして裁くことを続けていると、次第に自分で自分の事を低くみるようになり、ついには自分に自信を失ってしまうようになるのです。
自信を失うと、失敗が怖くて新しいことに挑戦することができなくなったり、周りの意見を気にして自分の意見を言えなくなるなど、生きづらさを感じることが多くなります。
このように、自分と他人を比較して自分が劣っていると考えると永遠に自分に自信を持つことはできないでしょう。
たとえどこにいたとしても、周りを見渡して自分より良くできると思われる人物を探し自分と比較して、自分のことを劣っていると考えることだってできてしまうからです。
いわば自分で自分のあら捜しを永遠と続けているようなものです。
人と比べて自分を評価する思考自体を考えないようにすることは難しい
他人と比べて自分を評価する思考をやめ、人と比べない自分になるための方法をご紹介する前にお話しておきたいのが、
いきなり人と比べて自分を評価する考えが頭に浮かんでこないようにするのは難しいということです。
他人と比較して自分はダメだという思考が頭に浮かんだ時に「こんな思考はダメだ!」といくら強く思ったところで、この思考そのものが浮かばなくなることはありません。
何故なら人と比べて自分を評価する思考は、あなたが小さい頃に身につけたものである可能性が高く、信念のような形で思考の深いところに根付いているからです。
そして、事あるごとにこの歪んだ思考が自動再生されている状態なのです。
では、具体的にどのように解決していくかについてお話していきます。
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人と比べない自分になるための最も効果的な方法
解決の方向としては、人と比べてどのように自分が自分を評価しているのかをまずは丸ごと受け止め、それを認識し改善にもっていくのが良い方法です。
※ちなみにこれは認知療法と呼ばれるやり方の1つです。
もちろん長い間染み付いた思考の癖ですから、改善するためにはある程度の時間が必要になります。
ですが、今からお話する方法を継続していくことで、人と比べない生き方を手に入れることができ、自分に自信を持って人生を送ることができるので、
やる価値は大いにあります。しかも、やり方は非常にシンプルですので是非やってみて欲しいと思います。
他人と比較して自分を評価した出来事を記録する
まず自分がどういった思考をしているのかを把握するために、自分の思考をノートに記録します。
具体的には
- いつどこで何が起こったのか
- どのように感じたのか、
- 頭にどのような考え浮かんだのか
の3点について具体的に書きます。
例を挙げます。
1.出来事:会社で同期が社長表彰されるほどの実績を挙げた
2.感情:無力感、恥ずかしさ
3.思考:自分と同じ時期に入社したのに、なぜ自分はできないんだ、ダメだな自分は。周りからみれば、自分なんて冴えない奴と思われているだろう
浮かんだ考えを建設的な考えに変えてみる
次に先程頭に浮かんだネガティブな考えを、建設的で前向きな考え方に変えます。
例を挙げます。
4.建設的な思考:もちろん同期が良い実績を挙げることはあるだろう。しかし、それによって僕自信がダメという事にはならない。また自分への周りの評価が実際の所どうかなんて聞いてもないんだし分からないよな。貢献の仕方だって違うはず、自分は自分なりに人の役に立つように精一杯やればいい。
という形で冷静に建設的な考え方をしてみるのです。
いかに最初の思考が偏った考え方をしてしまっているかが分かりますよね。恐らくこの作業をしていると1日にどれだけ自分が歪んだ思考で物事をみていたのかに驚愕することになると思います。
このようにして自分の思考を確認し、建設的な考え方をするという作業を繰り返すうちに次第に信念そのものが変わってきます。
まとめ
人と比べないための方法についてお話してきましたがいかがでしたか。
人と比べて自分を裁くことが以下に無意味で、自分の自信を壊してしまうのか、そして自分の偏った思考に気づき、それを1つ1つ建設的な考え方に変えていくことで思考の歪みをなおしていくことができるのか分かっていただけたら嬉しいですね。
それではありがとうございました。