人見知りに悩んでいる人は多いと思うが、それを克服できたという人は少ない。

なぜ多くの人は人見知りを克服する事ができないのでしょうか?

その理由としては克服のために何をどうやったら良いのか具体的な方法が分からないという事や、

そもそも人見知りは性格であり治すことはできないのではないか?という考えから改善する事自体を諦めてしまっている事が多いからではないかと思います。

人見知りが軽度であり生活の支障になっていなければ改善しなくても良いかもしれませんが、それが仕事や生活の障害・ストレスとなっているのであれば克服することが望ましいでしょう。

人見知りが遺伝的なものであるのか後天的に身についたものであるのかは正直分からない部分も多いのが現状です。

しかし、人見知りの原因がなんであるにせよ人見知りの様々な症状は改善出来ることが分かってきています。

どの程度の期間がかかり改善していくのかはその人次第ですが、確実に言えるのは克服のための正しい方法を知り、人見知りと逃げずに向き合い、変化を受け入れていく事ができれば今よりも状況は良くなっていくのです。

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なぜ人見知りになるのか?

なぜ人見知りとなってしまうのか?については大きく分けて3つの要因があると言われています。

  1. 遺伝的要素
  2. 家庭環境
  3. 場(環境)

遺伝的要素とは遺伝子的に人見知りとなりやすい内向的な資質を持っているという事です。ある研究によると人口の20%程度(5人に1人)が内向的な資質を持っている事が分かっています。

2つ目の家庭環境は家庭環境主には両親からの教育がどのように行われたのかという事です。例えば両親の他人との関わり方やコミュニケーションの取り方、子供の自尊心を育むような態度で接していたか等が挙げられます。

3つ目の場とはその人が置かれた時代や社会的な状況、学校、職場など諸々の環境の事を指します。

たとえば女性に生まれた場合たとえ子供の頃から人見知りであっても、それは奥ゆかしさという長所として周りから捉えられ特に問題意識を持つことなく大人になってしまうかもしれませんし、また生まれた地域が人見知りを助長するような排他的な風土を持つ地域だったという事も影響を与える事があります。

上記3つの要因を説明してきましたが、「自分が人見知りである原因は間違いなくこれだ!」と言えることはほとんどの場合ありません。

何故なら上記の3つの要因は単純に1つだけではなく複数の要因が複雑に絡みあって人見知りを形成している事がほとんどだからです。

人見知りの多くは認知の歪みに原因がある

人見知りは多くの場合その人の「認知」にその原因があります。

人見知りの人は認知が歪んでいる事が非常に多いのです。ちなみに認知の歪みとは物事を(自分にとってネガティブに)歪めて解釈しまう事です。

人見知りの人は他人からの視線をとても怖く感じてしまう事があります。この恐怖は他人からの視線によって「自分が低く評価されないか?」とか「自分の弱点が見透かされているのではないか?」という不安からくるものです。

しかし、実際には低く評価しようとか、弱点を見透かそうと相手が考えている事は少なく、勝手に自分でそういうふうに状況を解釈して自分を追い込んでしまっているのです。

これが「認知の歪み」です。

認知の歪みを矯正していく事ができれば人見知りは次第に緩和されていきます。

以下で人見知りを解消していくやり方を具体的に解説していきます。

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人見知りを克服する4つのステップ

人見知りを解消するためには認知の歪みを矯正する事が必要です。

その具体的な方法としては以下の4つのステップになります。

  1. 現状を具体的に理解する
  2. 認知の歪みを改善する
  3. 行動し再評価する
  4. 逃げずに繰り返し行う

1.現状を具体的に理解する

まず第1ステップとして自分の認知がどのように歪んでいるのかを詳しく把握しましょう。

これはできるだけ具体的に把握する事が重要であり、曖昧でぼやーっとした感じで掴んでも全く役に立ちませんので気をつけましょう。

人見知りをしてしまったなあと過去に感じた場面があれば、以下のポイントに注意して記録します。

  1. いつ
  2. どこで
  3. 誰といた時
  4. どんなふうに感じたのか?

これをノートやメモなどに書きます。

たとえば結婚式の2次会で人見知りを感じた事があったとします。

「〇〇さんの結婚式の2次会で、初対面の人ばかりが周りにいて知り合いも各々好きな所に行ってしまった。1人ぼっちで立っていて周りの人に話しかけようにも自分なんかが話しかけたら迷惑に思われるかなとか考えてしまって話しかけられなかった」

というような感じにメモします。

具体例は集まればあるほど良いです。

というのも沢山事例を集めて考えていくと、人見知りをしてしまう時に共通して自分がいつも抱いている認知の歪みが段々とみえてくるからです。

2.認知の歪みを改善する

次は認知の歪みを改善していきましょう。

先程挙げた結婚式の2次会の例で言えば「自分なんかが話しかけたら迷惑に思われるかな」という部分が認知の歪みになります。

認知の歪みを正していくには冷静に歪みの部分を肯定的に考えてみる事が大切です。

先の例で考えると「自分が話しかけたら迷惑になるかどうかなんて話してみるまで分からないわけだし、相手がよほどの人嫌いであれば別ですが実際には結婚式の2次会で話しかけられて嫌な気持ちになる人は少ないはず。もし話しかけてみて嫌そうだったらその時はすぐ切り上げればいいだろう。」

というように考えてみるのです。

またもう1つ重要なのが認知の歪みを「なぜ?」と深く考えてみる事です。これを行うことで本質的に自分がどんな思い込みを抱いているかがみえてきます。

考えるポイントは認知の歪みに対して「なぜ?」の質問を繰り返してみることです。

「自分なんかが話しかけたら迷惑に思われる」

なぜ自分はそう思ったのだろうか?

→「自分が話しかけてもどうせ楽しくないだろうから」

なぜ楽しくないのだろうか?

→「会話が盛り上がらないつまらない人間だから」

この場合には自分は会話が盛り上がらないつまらない人という自分自身に対する決めつけ・思い込みがあったわけです。

3.行動し再評価する

認知の歪みを改善する考えを書き留めたら、次は実際に同じような場面に出くわしたら行動してみましょう。

最初はしどろもどろになってしまったり、まごついたりして上手くいかない事が多いはずです。

慣れないうちは10回やって1.2回上手くいったな〜という感じが当たり前です。失敗して恥ずかしいという事よりも自分が何をできて進歩したかに目を向けるようにしましょう。

やっていくうちに次第に上手くやれるようになっていくはずです。

4.逃げずにサイクルを繰り返す

人見知りは人見知りを感じるような状況を回避すればするほど余計に苦手になっていきます。

そのため人見知りを改善したいのであれば、逃げずに人見知りを感じていた状況と向き合う必要があります。

もちろんただ闇雲にそういった状況にいるだけだと効果が無いかもしれませんが、上記でお話した1〜3のプロセスを繰り返して実践をしていけば次第に不安や緊張が和らぎ人見知りが緩和していきます。

適切な自己主張の方法を習得する

適切な自己主張とは相手の言い分を認めつつ自分の言い分もきちんと相手に伝える事ができるスキルの事です。

人見知りをしてしまうかどうかは心理的な面による影響も大きいですが、コミュニケーション力や自己主張スキルを持っているかどうかによっても変わってきます。

上手な自己主張の方法を知っていれば不安がなくなり人見知りをしなくても良いと思えるようになるからです。

回避するほど人見知りの度合いは強くなる

自分が人見知りをしてしまうような状況を回避すればするほど人見知りの度合いは強くなっていきます。

結果的には些細な人見知りを感じてしまうような状況でも逃げ出してしまうようになったり、以前は何とかこなせていた状況に対しても強く不安や恐怖を感じるようになってしまうようになるのです。

だから人見知りを何とかしたければ向き合うことが凄く大切になってきます。

まとめ

人見知りは人によっては本当に辛い悩みのタネとなる事があります。

少しでもこの記事がそういった方のお役に立てたらと思います。

それではありがとうございました。