人前に出て話をしたりしなければならなくなると、急に心臓がドキドキしてきて頭が真っ白になりしどろもどろになる等の症状が出る所謂あがりやすい人がいます。

あがり症の人は「自分は特別にあがりやすい」と考えている事が多いですが、実は日本人の80〜90%位の人は自分の事をあがりやすいと感じているのです。

だからもしあなたが自分の事をあがりやすいと感じていたとしても、それは特別なことではなくごく自然な事なのです。

あがり症を克服するために大切なのはあがったと感じた後どのように行動するかです。

あがった後の行動によって大勢の前でも自然に堂々とふるまえるか、もしくはガチガチに体を強張らせ何もできなくなってしまうのかが決まります。

過度にあがってしまうのは当人としては本当に辛いものです。

この記事を書いている私もスピーチをしたり、大勢の前で発表をしたりする事は苦手で嫌だな〜と感じるタイプです。

正直言って今でもそういう場所はできる限り避けたいというのが本音です。

ただ社会人であれば人前に出るのを避けてばかりもいられません。人前に出てプレゼンをしたり会議の司会をするなど必要に迫られやらなければならない場面はいつか訪れるからです。

ではそんな時にあがりを上手くコントロールする方法は無いのでしょうか?

あがり症の僕自信があがり症に効く、すぐにできて即効性の高い方法をいくつかお話しますので是非やってみて欲しいと思います。

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なぜ私達はあがってしまうのか?

なぜ私達は大事な場面になるとあがってしまうのでしょうか?

あがってくると様々な症状が心身に起こりますがこの原因は交感神経の働きによるものです。

あがりは交感神経の働きによって起こる

私達の体には自立神経と呼ばれる様々な内臓器官の働きを調整してくれる神経があります。

自立神経は筋肉のように自分の意志でコントロールする事はできず自動で体の調整をしています。

この自立神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経に分かれています。

「交感神経」はすぐ行動できるように体の状態を活発化させる役割があり、「副交換神経」には体を穏やかな状態にし休める役割があります。

交感神経が活発になると呼吸は浅く速い状態になり、心臓の脈拍が増えますが、反対に副交感神経が優位になると呼吸は深くゆっくりとしたものになり、心臓の脈拍も落ち着いたものになります。

これら2つの神経は周りの状況や自分の心理状態に応じて自動的に切り替わり働いています。

あがってしまう場面を思い出してみましょう。

例えば結婚式のスピーチや重要なプレゼンテーション、会議での司会役など、こういった大事な時になると体は臨戦態勢を取ろうと交感神経が優位に働きます。

その結果心臓がバクバクし手や額から汗がジワッとでてきて、胃が収縮し痛くなるといったあがりの症状が出るのです。

この症状が過度になると体の震えが止まらなくなったり嘔吐したりパニックになったりもします。

これがあがりのメカニズムです。

 

あがりには深呼吸が有効

あがりを抑えるためには交感神経の働きを抑えることができれば良いのですが、先程お話ししたように交感神経は自動で働いているので自分では普通コントロールする事ができません。(薬などを飲めば別ですが)

しかし実は1つだけ自立神経の中で自分でコントロールできるものがあるのです。

それは「呼吸」です。

呼吸を意識してコントロールする事で交感神経の働きを鎮め、副交感神経優位の状態になる事が可能です。つまりあがりを軽減することができるのです。

あがった状態の呼吸(浅く速い)を意識してゆっくりとした深い呼吸に変えることで副交感神経の働きが優位になり落ち着いた状態になることができます。

ゆっくりと深い呼吸はずっとしなければならないのではなく、ちょっと緊張したり硬くなっているかなと思ったら意識して1分程度行うだけで十分な効果が得られます。

あがりに効く呼吸法

具体的な呼吸方法についてご紹介します。

この呼吸法はとてもシンプルで簡単なものですが非常に効果があります。

あがっていると感じた時や大事な事に臨む前にこの呼吸法を行うとリラックスした良い状態で取り組む事ができるようになれますよ。

  1. 鼻から息を吸い込みお腹を膨らませます
  2. 息を吸い込むと同時に肩を上げます
  3. 口から息を吐きながらお腹を凹ませ息を吐ききります
  4. 1〜3を3回繰り返します

普段私達は胸の部分を使い浅い呼吸(胸式呼吸)をしています。特にあがった時は胸式呼吸が顕著になり余計にあがりやすくなります。

上記の方法はお腹をしっかりと使って深い呼吸をする腹式呼吸です。

ゆったりとした腹式呼吸を3回程度すると副交感神経が優位になり身体的にも精神的にも落ち着いた状態となる事ができます。

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あがりを抑える方法5選

ここからは呼吸法以外のあがりを抑える方法についてご紹介をしていきます。

水を飲む

水を飲む事もあがりを抑える有効な方法1つです。

あなたは緊張したりあがったりした時に無性に一杯の水を飲みたくなった経験や、他人が緊迫した大事な場面で水をグビッと飲んでいる光景を見た事はありませんか?

実は人間がこういった行動を取るのは無意識のうちに興奮状態にある自分を水を飲むことでリラックスさせようとしているのです。

科学的にも水を飲むことで心身を落ち着かせる効果があることは証明されており、水を飲むことは間接的に自律神経の働きを整えるので心身を落ち着かせる事ができます。

ちなみに寝る前に一杯の水を飲む事で眠りにつきやすくなりますので寝付きが悪い方は試してみると良いと思いますよ。

軽いストレッチ・運動

あがっている時ほとんどの人は無意識に身体に力が入りガチガチに硬くなっています。

これから緊張しそうな場面に遭遇したら自分の身体がどんな状態なのか注意してみて下さい。

多分びっくりすると思います。肩に力が入り猫背気味の姿勢となり顔の筋肉は硬くカチコチになっていることに。

僕も自分の身体の状態を注意深く観察していると、緊迫した場面や人前に出ようとする時には知らず知らずの内に肩に思いっきり力が入っていることに気が付きました。

身体に力が入り硬くなると呼吸は浅くなり、自然に笑ったり喋ったりしづらくなります。すると余計にあがってしまうという悪循環に陥ります。

そんな時には軽いストレッチや運動をするようにしてみましょう。

座った姿勢であれば両肩を耳につける位上げてからスッと力を抜く運動も効果的ですし、その場でジャンプしたり走る動作を1分程度する運動も効果的です。

広い場所があれば軽いランニングなどをすることも良い方法です。

意識を外に向ける

あがってしまってしどろもどろになったり頭が真っ白になってしまうという人は自分の内面に意識が向き過ぎている場合が非常に多いです。

自分の内面に注意が向けば向くほど上手くやらないといけないと思ったりプレッシャーを感じたりします。その結果呼吸は浅くなっていき身体は硬くなりどんどん心の余裕が無くなっていくのです。

周りにいる緊張に強い人を思い出してみて下さい。

そういった人は自分の外側に注意が向いている事が多くないでしょうか?

あがりにくい人は同僚と談笑したり周りの人の様子を気にかけるなど自分の外側に意識が向いている時間が多い人です。

そのため内向的な人よりも外交的な人の方が外側に注意が向く事が多い分緊張しにくい側面があると個人的には感じます。

自分の内側に注意が向きやすい人は緊張してきたと感じたらできるだけ周りに注意を向けましょう。

例えば今いる部屋はどんな部屋なのかを観察したり、周りの人がどういった状態なのかをみて声をかけたりしてみるのです。

準備をしっかりとしておく

人前で何かをしなければならなかったり、緊張するような場面に望む時は準備をしっかりとしておきましょう。

その場面が来るのが怖かったり不安だからと言って何も準備せず望んだりすればよりあがってしまいパニックになりやすいです。

その時できるだけで良いので準備をしておきましょう。

そうすればいざ本番となっても準備をした分だけ冷静さを保つ事ができます。

見る側に立ってみよう

あがり症状がでるのは多くの場合自分が人から見られていると感じるシチュエーションで起こります。

逆に自分が見ている側であれば全く緊張したりしどろもどろになるという事は起こりません。

少し想像してみて欲しいのですが、大勢が集まった会議で他人のプレゼンを聞いている時あなたの心理状態はどうでしょうか?

次に発表者から急に「〇〇さん、〜についてどう思いますか?」と質問を投げかけられ、一斉に数十人の目線があなたに向けられたらどのように感じるでしょうか?

前者の場合には恐らくほとんどストレスを感じることは無いでしょう。しかし後者の場合はかなりストレスと緊張を感じるはずです。

「見ている側」から「見られる側」に立場が変わるだけでこれだけ心理状態は変わってしまうのです。

緊張しないためには見られる側にあったとしても、「こちらのほうが見ている側なんだ」の視点を持つ事が重要です。見ている方に立てば過度に緊張をしてしまうのは避けられます。

とはいっても意識してもなかなか見ている側に立つのは難しいと感じるかもしれません。

そんな時に有効なのが見ている人に質問する事です。

見ている人に対して質問をする事で視線を意図的にそらすことができます。特に緊張が強い最初のところで質問をすると、その後落ち着いて取り組みやすくなるのでオススメです。

 

正しいやり方を知り実戦経験を積む

あがり症を克服するためには経験を積む事が何よりも重要です。

もちろん闇雲に沢山やったとしても良い成果は期待できませんが、上記でお話した呼吸法と5つの方法を踏まえて経験を積んでいけば次第に慣れていきます。

多分はじめは上手くやれないことが続くかもしれませんがそれでOKです。あがり症を克服するためには完璧を求めない事が凄く重要です。

0点か100点かで毎回の取り組みを評価していたら悪いところばかりが目に付き失敗した記憶ばかりとなり嫌になってしまいます。

はじめは上手くいかない事が当たり前ですし、不完全で良いので「今回はココが向上した」と自分の進歩に注目するようにして取り組みを評価する事が大切です。

そのうち「まあ上手くやれたよな」と自分で感じる事ができるようになっていきます。

以前の僕は人前で発表したり司会役などがあると数ヶ月前から憂鬱になって直前には吐き気がする事も結構ありました。

そういった場に出るのは今でも苦手だな〜という感覚はありますしそういった場はできれば避けたいなと思っています。

ただ失敗しながらも場数をこなすことで次第に人前で振舞うことへの耐性がついてきて、上手ではないだろうけど何とかこなせる感じにはなってきたと感じています。

最初は会議で手をあげて質問してみるとかそういった軽いもので良いと思います。慣れてきたら結婚式のスピーチやプレゼンテーション、会議の司会役などステップアップしていくとよりあがり症を克服していけると思います。

 

まとめ

あがりやすい人にとって人前に出て何かをするというのは本当に怖くて不安で、できればやりたくないというのが本音だと思います。

ただそういった場面を避ければ避けるほど余計にあがりに対して耐性が下がり弱くなってしまいます。

まずは自分のできる範囲からで良いので今日お話しした事を実践してみて欲しいなと思います。

それではありがとうございました。