「こんな事もできない自分はなんてダメな奴なんだ」

「自分を消し去りたい」

「あの人の機嫌が悪いのは自分のせいだ」

「上手くいかなかったのは全部自分責任だ」

といったように、何か問題が起きた時、自分の事を責めてしまうことがあります。

自分の事を責めることで、自分に自信が持てなくなったり、嫌な気持ちになるにも関わらず、なぜ人は自分の事を責めてしまうのでしょうか?

また、こんな時一体どうすれば自分の事を責めないようになれるのでしょう。

今回は、自分の事を責めてしまう原因とどうすれば自分の事を責める癖を改善することができるのかについてお話します。

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自分を責めてしまう原因は家庭環境にあることが多い

どうして、自分を責めてしまうのでしょうか?

自分を責めることが当たり前になっていると気づきませんが、冷静に考えてみると、自分を責めることは、気分を落ち込ませたり、やる気もなくなるなど、あまり良いことが無いように思えます。

それなのに、なぜ自分を責めてしまうのでしょう。

研究で明らかになっていることとして、自分を必要以上に責めてしまう人に共通するのが、家庭において自尊心を持てるような教育を受けてこなかったということです。

つまり、自分を責めてしまう原因は、自分の両親による影響が大きいのです。

具体的にどういった環境が自分を責めてしまう癖を作り出すのかについてお話していきます。

自分が育った家庭環境をイメージしてもらいつつ聞いてもらうと分かりやすいかも知れませんね。

条件付きで愛される経験をしたから

子供の頃に、条件付きで愛されるような経験を多くしてきた場合に、子供は〇〇でない自分には価値がないと感じるようになってしまう傾向があります。

一例を挙げると、良い成績を取れば褒められそうでなければ叱られたり、簡単な家事を頼まれてできなかったりしていなかったら、無視されたり怒られたりしたという経験です。

子供は、両親から認めてもらいたい、愛されたいという欲求を持っていますから、両親の欲求を子供なりに頑張って満たそうとします。

しかし、それが満たせず両親から怒られたり無視されたりすると、できない自分には価値がないのだと思うようになるのです。

ちなみに、こういった環境で育った子供はいい子でいようとし本当の自分が出せなくなるため、大人になった時に自分の意思を周りに伝えることが苦手だったり、いつも周りの評価や顔色を伺って行動する傾向もあります。

両親が喧嘩が多かったり、不仲だった

子供の頃に両親が頻繁に喧嘩したり、不仲であった場合に、子供は無意識に自分のせいで・自分が頑張らないから、両親の仲が悪いのだと感じ、自分を責めてしまう場合があります。

そして、自分が頑張れば両親の問題は解消するだろうと思って頑張ろうとするのです。

当然ですが、両親の仲が悪いことは子供と一切関係がありませんし、それは両親が解決すべき問題です。

こういった環境で育つと、何か悪いことが起こると、過度に自分の責任だと捉える傾向があります。

例えば、仕事上の同僚が不機嫌であれば、自分のせいではないかと信じてしまったり、恋愛関係では喧嘩しても自分が全て悪いと考えてしまったりするのです。

自分を否定するような言葉をかけられてきたから

「お前はダメだ」「なんでこんな事もできないんだ」と言われてきた経験があり、それが自分を責める原因となっている場合があります。

どんな人であっても、必ず人間は周りの環境に大きく影響を受けます。

どんなに強い人であろうとも、四六時中周りから自分を否定するような言葉をかけられたとしたら、次第に自分に否定的な見方をするようになっていくでしょう。

小さな子どもにとって、自分の両親というのは自分にあらゆるモノを与えてくれる、ある種絶対的な存在です。

そんな絶対的な存在である両親から、事あるごとに「何でこんなこともできないんだ」「お前はダメだ」と声をかけられ続ければ、子供は「自分ってダメな奴なんだ」と自分のことを否定してしまうようになるのも当然です。

 

ここまで、自分を責めてしまう原因となる家庭環境をみてきました。

ここで注意して欲しいのが、自己否定的になってしまった原因が両親によるものだとして、両親に文句を言ったり、怒りをぶつけてもそれは問題を解決しないということです。

もちろん、両親に怒ったり不満の感情を抱くのは自然なことです。しかし、子供の頃の家庭環境の怒りを、大人になったいまになって、ぶつけても状況を悪くするだけだと思います。

ただし、両親に対する不満を抱いたままだと、自分の中で葛藤や恨みなどの感情が長期間に渡って渦巻くことになり、良い影響を与えません。

ここで重要になるのが「許し」という技術です。

許すことには、葛藤や恨みなどの感情をいとも簡単に解消してしまう効果があります。

許すとは、言い換えれば、相手の事情を相手の立場になって考えてみることです。

例えば、「両親は子供の頃、仕事で忙しくて家庭の事にまでなかなか手が回らなかったのだろうな。」

「両親も本当は上手く子供に対して接したい気持ちがあったのだけど、どう表現すれば良いのか分からなかったのかもしれない」

「両親も両親の親から、厳しく育てられてきた経験があるから、子供に対して厳しくあたってしまったのかもしれない」

などと、両親について考えてみるのです。ちなみに、難しいかもしれませんが、両親から直接こういった話を聞くことができれば、より「許し」を与えやすいと思います。

もちろん、すぐには感情的な問題もあるので難しいとは思いますが、少しずつで良いので「許し」を与えていって欲しいと思います。

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自分を責めてしまうことで起こる4つのデメリット

次にお話しするのは、自分を責めることはどのような悪影響を及ぼすかということです。

自分を信頼することができなくなる

いつも自分に向かって否定的な言葉をかけたりしていると、次第に自分で自分の事を低くみるようになり、自分のことを信じられなくなります。

自分が信じられなくなるということは、自分の行動や選択に自信を持つことができなくなるということです。

人生は選択と決断の連続によって作られていきますが、もし自信が持てなければ「こうだ!」と自分の人生を決めることも難しくなり、身動きが取りづらくなります。

臆病になる

自分を責める姿勢を持つ人は、何かに取り組む時には臆病な姿勢を取るようになります、そして上手くいかないのではないかと考えて、思い切って挑戦することができません。

自分を責める人の1つの特徴として、完璧な基準を求めたり、失敗することは自分に価値が無いことだという信念を持っていたりします。

そういった考えが、無意識のうちに、なにかにチャレンジすることを恐れさせるようになるのです。

不安や心配する気持ちが強くなる

自分を責める人の1つの特徴として、完璧な基準を求めたり、失敗することは自分に価値が無いという信念を持っているとお話しました。

そうすると、頭の中では自然と、上手くこなさなければならない、絶対に失敗はできないという考えが渦巻くようになります。

そして、そうした不安や心配を解消しようとして、先のことを神経をすり減らしながら、常に心配して過ごすようになります。

責任や役割を無意識に回避する

臆病になる事とも関連がありますが、自分を責める傾向にある人は、責任や役割を無意識に回避する行動をとることがあります。

自己否定的な考え方が強いために、自分に自信が持てなくなり、何かを達成する能力が自分は低いと感じているのです。

この、何かに挑戦する時にどれくらい自分が達成できる能力があると感じるかを自己効力感(エフィカシー)と呼びます。

自己効力感が低いと、責任ある仕事や役割を与えられても、やる前から自分には絶対無理だと決めつけ、他人に自分の役割を変わってもらったり、ごまかしたりして何とか回避しようとする傾向があるのです。

 

自分を責めることをやめるための2ステップ

自分を責める癖を改善していくためには、大きく分けて2つのステップがあります。

  1. 自分に対して慈悲の心を向けること
  2. イメージによって自分の中にある子供の頃の自分(インナーチャイルド)を癒す

この2つのステップを行うことで、次第に自分を責める思考から解放されていきます。

自分に慈悲の心を向けること

まず1つ目のステップですが、ここで目指すのは自分に慈悲の心を向けることで、直接自分を責める思考を是正していくことです。

慈悲とは、仏教の言葉で仏が苦痛を取り除き、楽を与えようとする心のことで、言い換えれば、親友に接するように自分に対して思いやりや優しさを持って接することです。

慈悲は自分を癒やすうえで、非常に有効なものとなります。

具体的なやり方ですが、まずノートとペンを用意して下さい。

そして、自分を責めてしまったことについて、出来事とそれについて自分がどのような言葉で自分の事を責めたのかを、自分がその時感じた感情も含めて全て書いてみましょう。

この時、自分の感情を書ききることも、自分の感情を受け止めるうえで大切になるので、しっかりと書ききってみてくださいね。

終わったら、その出来事を振り返ってみて「もし自分が自分に対して思いやり・優しさを向けても良いのだとしたらどのような言葉をかけるだろうか?」と考えてみて下さい。そして実際にそれを、先ほど書いた下のところに書いてみて下さい。

この作業を行うと、ほとんどの場合癒やしや自分に対して力を感じることができると思います。

インナーチャイルドを癒やす

次に行うのは、イメージによって子供の頃の自分を癒すことで、自尊心を持つことができるようになるトレーニングです。

少し分かりにくいかもしれませんが、自分の中には自分の子供時代の自分が、まだ静かに生きているのです。

子供時代の自分の事をインナーチャイルドを呼びますが、インナーチャイルドを癒すことで、いまの自分にも大きな影響を与えることができるのです。

具体的なやり方は以下のような感じです。

今から10分程度、誰にも邪魔されずにリラックスできる場所に座り、くつろいだ姿勢を取ります

  1. 2回程度深呼吸をしましょう
  2. 目を閉じて、自分の6歳か7歳の自分を思い出していきます。
  3. あなたが昔住んでいた家から、小さい頃の自分が立ってこっちを向いているのをイメージします。
  4. あなたはその子の前に立ち、その子の気持ちを感じます。(何か話したそうであれば聞いてあげて、何も言わなかったとしても、気持ちをしっかりと受け止めてあげましょう)
  5. その子に向かって、その子が癒やされるであろう言葉を優しく語りかけて下さい。(この時、抱きしめてあげたり頭を撫でてあげましょう)
  6. その子が、喜んで嬉しそうにしているのをしっかりと感じましょう。そしてその感覚が、自分の中に広がっていくのをゆっくりと感じ取って下さい。

イメージが終わった時に、どのように感じましたか?

イメージをやり終えると、多くの場合、今までに感じたことがない感情に心が動かされ、涙したりする人も非常に多いのがこのイメージトレーニングです。

是非やってみてくださいね。

 

まとめ

ここまで自分を責めることをテーマにお話ししてきましたがいかがでしたか?

楽しく幸せな人生を送るうえで、自分を責める癖を改善することは非常に大切なことです。

是非今日お話したことを実践してみて欲しいとおもいます。

それでは、ありがとうございました。