恐らく、この記事を読んでいるのは、頑張って何かに取り組んでいるけれど、なかなか成果が現れなかったり、他人と比べて自分ができないと感じて自分の才能・センスについて悩んでいる人なのではないかと思います。

多くの人は何かで成功するためには才能が非常に重要だと考えています。

才能があれば、普通の人が苦労するようなこともクリアできるし、才能が無ければどこかで壁にぶつかり成功への道を進むことは難しいと思っています。

しかし、この考えは本当なのでしょうか?

もし、この考え方が本当であれば、歌がうまくなりたいとか、絵を上手にかけるようになりたいとか、仕事で良い成果をあげたいというような「夢」を持ったとしても才能を持っていなければ、実現できない事になってしまいます。

「成功するためには才能が不可欠」という考えが広く浸透しているために、多くの場合、自分に才能がないという理由で自分のやりたいこと、実現させたいことを初期の段階で(もしくはやる前から)諦めている人が多いのではないかと思います。

この記事は自分の可能性を信じて、自分の人生を選択したいと望む人に向けて書きます。

上手くいっている人をみると元から才能があるから成功しているようにみえますが、世の中の上手くいっている人達は本当に「才能があったから」成功したのでしょうか?

全ての人が、どんな分野であっても成功できる訳ではないという現実
例えば、何かにチャレンジする時、全く興味も関心もなく、向上したいと心が感じることがない分野であれば成功することは難しいと思うし、身体的なもの(身長や体重など)やIQなど遺伝子的に元から備わったものが人それぞれ違うのも事実だと思います。

 

しかし、僕はそれを踏まえた上でも少しでも「こうなりたい」「ああなりたい」という願望があり、情熱を持っているのであれば、成功することは可能だと思っています。

 

何故なら、成功するために最も重要な要因となるのは才能ではなく「別のもの」だからです。

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才能には2つの意味がある

はじめにお話するのは、何かの分野で成功するためには「才能は絶対に必要なのか?」という疑問についてです。

成功したり上手くいっている人は才能があったから、成功しているのでしょうか?

才能という言葉には2つの意味があると思うのです。

1つは何か新しいことをやる時に、「どれだけ初期値(パラメータ)が高いかということ」そしてもう1つは、「どれだけその分野で伸びしろがあるのか」ということです。

初期値が高いというのは、例えば、サッカー初心者の子供達を集めてサッカーをやらせてみて、ドリブルが上手かったり、得点力があったりなど平均以上の能力をみせることができればその子は才能があるということになります。

もし、そこで平均以下の活躍だった場合は才能が無いということになります。

また、その分野で伸びしろがあるかどうかというのは、例え最初から途中の段階まで上手くできなくても、最終的には非常に高いレベルまで到達することができれば、才能があったということです。

 

多くの人は、ある分野での初期値が高ければ高いほど、将来的にその分野での伸びしろも当然高いはずだという信念を持っているのでは無いかと思うのです。

つまり、初期の段階で突出した成果をあげることができたのであれば、その後も成功する可能性が高いというもので、

逆を言えば、初期の段階である程度やっても成果が出せなければ、望み無しとして将来成功する可能性は低いという信念です。

しかし、様々な分野で成果を挙げているほとんどの人が、はじめから素晴らしい成果をあげていたのでしょうか?

もし、最初の初期値が低くても将来的に成功できるのであれば、一体そこには何が必要なのでしょうか?

 

才能について誤った信念ができあがるプロセス

初期値が高ければ将来的にその分野で成功する可能性が高いという信念は、恐らく「挫折経験」と「TV等のメディア」の影響が大きいと思います。

多くの人は大人になるまでに、沢山の挫折を経験します。そして初期の段階で上手くやることができない分野については、周りの人が「お前はセンス(才能)が、無さそうだから」といって別のことをやるよう薦められたり、馬鹿にされたり、場合によっては見限られるようなことがあります。

僕が高校の時に受験勉強をした際の話ですが、

僕が通っていた学校では、成績によってハイクラス(1クラス)と普通クラス(その他)の2つにクラス分けがされていました。

ハイクラスには中学から仲が良かったAくんという友人がいました。彼に聞いたところハイクラスと普通クラスは授業を受け持つ先生もほぼ同じで、授業の内容はほとんど変わりがない感じでした。(宿題などが多い位)

その友人Aくんと僕は仲が良かったので、クラスは別でしたが学校が終わってからいつも遊んだりしていて、高校生活の結構な時間を一緒に過ごしていました。ちなみに勉強はテスト直前になるまでお互い全くしていない感じでした。

Aくんと僕は同じようなライフスタイルを過ごしている感じでしたが、違うのは期末テストの点です

自分は大体平均くらいの成績でしたが、Aくんは得意の理系科目については学年でも上位の成績を連発していました。

多くの人は大人になるまでの段階で、上記と似たような体験を、勉強、部活、スポーツなどの分野で経験しているのではないかと思います。

「同じ位努力しているはずなのに、なぜあの人とは成果が違うのだろう?」その答えとして「才能が違う」という結論を下してしまうのです。

そういった経験をした本人は、上手くやれなかった分野について苦手意識が残り続け避けるようになり、やがて「自分には才能が無かったのだ」と考えるようになります。

また、TVなどのメディアで成功者が取り上げられる時は、その人が活躍してきた履歴ばかりをフューチャーしたり、普通の人からすると驚くべきスキルを披露している部分を集めて編集されることが非常に多いです。。

そうすると、視聴者は才能がある人というのは普通の人とは違って、元々卓越した能力を備えていたから、成功したのだと考えるようになります。

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初期値が低くても将来的に成功した人達

ここで、最初の頃は全く注目されていなかったり、活躍できなかったにも関わらず、将来的に成功した人達をご紹介していきます。

こういった人の話を聞くことで、まずは希望を持って頂けたらと思うのです。

本当は沢山紹介したいところですが、全てを紹介するととてつもなく長くなってしまうので、個人的な趣味で3人ほどご紹介します。 苦笑

長友佑都

初めに紹介するのが、サッカーの日本代表で、ワールドカップでも何度も日本のピンチを救った名DFである長友佑都選手です。

長友選手は今でこそ世界有数のクラブに所属し、日本代表として活躍していますが、サッカーを初めた頃は全くの無名選手でした。

小学生の時は愛媛のジュニアユースの試験を受けるも不合格となり、高校のときには地元の選抜メンバー(地元で有力な選手を集めたもの)にも選ばれていません。大学時代に全日本大学選抜にも選ばれるなど飛躍的な成長を遂げて現在の成功があるのです。

現在世界的に活躍している長友選手でも高校時代には日本どころか、地元の選抜メンバーにすら選ばれていなかったというのは驚くべき事実だと思います。

片桐裕司

次にご紹介するのは、ハリウッド映画などでキャラクターデザインや造形を担当している片桐裕司さんです。

片桐さんって誰やねん!という方が大半だと思いますが、ジョニー・デップ主演の「パイレーツ・オブ・カリビアン」やスティーブン・スピルバーグ監督の「A.I.」など有名な映画作品のキャラクター造形をしておられる、日本でもトップクラスのクリエイターです。

例えばこんな作品を作っておられます。(因みに左に写っているのが片桐さんです)

シワとか表情の作り方が超絶うまいですし、肌の質感などもまさにリアルという感じです。

そして、片桐さんが高校の頃に作ったマスクが以下の作品です。

・・・ドロドロに溶けた顔のマスクですが、あまり上手とは言えない感じですし、

この作品をみて上のような凄くリアルな作品を将来制作されるとは想像出来ないですよね 汗

僕も趣味で造形をしていますがこれを見た時、片桐さんでも最初の頃はそこまで上手くなかったんだと感じて、希望を持つことができました 笑

マッスル北村

日本が誇る伝説のボディビルダーがマッスル北村さんです。

39歳という若さで亡くなってしまったのですが、日本人では類を見ないほどの筋肉の大きさを誇り最大で120キロ近くの体重、そのほぼ全てが筋肉だったという伝説の人です。

しかし、マッスル北村さんもはじめから恵まれた体型をしていたのかというとそうではありません。

ボディビルディングを初めたのは、大学時代からですが、最初の頃の体型は身長173cm、体重55キロというヒョロヒョロの体型だったのです。

(下の写真はマッスル北村さんが高校生の頃)

それが将来的に100キロ超えで体脂肪率3%以下という、こんな感じの身体になるのです。

・・・まさに実写版ハルクです。

 

成功者たちはなぜ成功できたのか?

ある分野に取り組んだけれど最初は上手くいかなかったにも関わらず、上記の人達はどうして将来的に成功できたのでしょうか?

そこには共通する特徴があります。それは「継続して圧倒的な努力を続けた」ということです。

努力こそが成功を左右する最も大きな要因

長友選手は大学時代に椎間板ヘルニアとなり動けなくなったのですが、その際に体幹を徹底的にトレーニングする訓練を積んだのです。それが長友選手のサッカースキルの軸となり別人のような活躍をすることができるようになりました。

片桐さんは高校卒業後単身でアメリカに渡り、毎日毎日一人でバイトをしつつ寝る間も惜しんで作品を作り続け、制作会社に入ってからも仕事が終わっても残って作品を作り続けたそうです。

また、マッスル北村さんは体重を増加させるために、毎日卵を30個位食べ、牛乳を3リットル近く飲むなどの食事と、限界まで自分を追い込むトレーニング、そして試合前は体脂肪を削ぎ落とすために、倒れるまで減量を行ったそうです。

ちなみにマッスル北村さんがもの凄いのはボディビルディングだけではないです。マッスル北村さんは超絶努力によって東京大学に入り、その後思うところがあり、大学を辞め今度は医者を目指し、東京大学医学部という日本の最難関の学部にも合格しています。

これは才能云々というのではなく、家族によると限界までの努力をした結果とのことで、例えば本を1冊覚えるまで、食事も寝ることもしないと宣言し実際にやってしまったこともあるようです。

何が言いたいのかと言うと、継続して努力を続ければ多くの人は才能を身につけ成功することができるという事です。

確かに生得的に生まれ持ったもの、例えば身長や外見、高いIQなどの要素は人それぞれあるでしょう。そういったものを持っていれば、ある分野に対して初期のパラメータは高いかもしれません。

だからといって、その人が将来的に成功するかどうかまでは分からないのです。

つまり、才能は自ら開発していくものなのです。

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成功するために必要な7つのこと

ここを誤解している人が多いのではないかと思いますが、努力が成功に必要とは言っても、ただやみくもに努力を継続するだけでは上手くいきません

たとえ、10,000時間もの膨大な時間同じ努力を継続しても成功できないのです。

努力には押さえておくべきポイントがあります。

これを押さえずにいくら努力を積んでも成功に近づいていくことはできません。

ここからは、成功するために必要な努力の仕方についてご紹介します。

意識的な(正しい)努力を積むこと

どんな分野であれ意識的に努力を積む経験をしなければ才能を成長させることはできません

何故なら何をやったとしても、自然に成長の壁は訪れるからです。

例えばサッカーをやったとしましょう。初めは夢中で取り組むうちに楽しさの中で段々とシュートの仕方やポジション取りなどを覚えていきます。

そして、そのうち頭で考えなくとも、初心者からみれば上手だなと思えるくらいには自然にプレイすることができるようになれます。

しかし、ここで多くの場合、成長の壁が訪れます。この時に何も考えずに長時間プレイを続けるだけでは、サッカーの技術は向上していきません。

自分には何が足りなくて、どうすれば上手くなれるのかを考えて意識的に練習をする必要があるのです。

これを怠ったってしまうと、どんな分野であれば成長をすることはできません。

自分の限界を少し超えるような練習をし続けること

確かに、何も考えずとも自然に行動できるというのは煩わしさがなく人間にとって快適なことです。

しかし、成長を望むのであれば、そういった快適さからは一歩飛び出して自分を成長させる意識的な練習をしなければいけないのです。

成功している人は自分の能力を成長させるために、快適さから飛び出して、さらに上のスキルを身につけるための努力を必ずどこかの段階で行なっています。

時間を費やす覚悟を決めること

ジャンルにもよりますが、何かで成功したいと考えるのであれば、それ相応の時間を費やす覚悟が必要です。

ジャンルにもよるというのは、どれ位の習熟度が求められるのかは取り組む分野によって異なるということです。

1つの目安としては自分の目指す分野でライバルがどれ位のレベルかというのが練習量の目安になります。

比較的新しい分野の事に取り組む際にはある程度の練習量でトップクラスになれるかもしれませんが、バイオリンなど歴史も長く、ライバルたちも凄まじい練習量をこなしているような分野ではそれだけ多くの時間を費やすことが必要になります。

ちなみに世界的なバイオリニストは殆どの場合、子供の頃に毎日15時間以上の基礎練習を積んでいるそうですし、プロになってからも最低でも毎日10時間以上は練習するそうです。

成長にはフィードバックが必要

成長には必ず自分が行ったことに対してフィードバックが必要不可欠です。

もしフィードバックをしなければ、どこが良くて何が間違っていたのかが分からず、改善して成長することができないからです。

フィードバックをしてもらうのに一番良いのが、その分野で成功している人に先生になってもらい教えてもらうことです。

成功している人は必ず自分の中に上手くいくイメージを持っています。先生から教えてもらうことで、上手くいっている人は何を考え、どのように行動しているのかを自分に馴染ませていくのです。

また、もう1つ重要なのが自分に対して自分自身でフィードバックができる事です。

成功している人が持っていることが多い特徴が、自分の間違いや失敗に気がつくことができる力です。

同じことを行ったとしても、成長していく人は自分がやった事が上手くいったのか失敗したのか、どこを改善すべきだったかなどに気づき自ら改善をしていきますが、伸びない人はそれに気づかず、次も同じ様に行動していくことが多いのです。

この自分自身でフィードバックする力は、自分の中にどうやったら上手くいったと言えるのか?という具体的なイメージを沢山持っているかどうかで決まります。

どうすれば成功のイメージを自分の中に持つことができるのか、それは成功している人のプレーや行動を沢山、記憶しておくことです。少しずつでも上手くいっているイメージを記憶していくことで、次第に自分の中にも成功のイメージができていくのです。

そういった事から考えると「あんなプレーがしたい!」「こんなふうになりたい!」という強い願望を持っている人や自分が取り組んでいる分野に興味が高い人は、成功のイメージを持ちやすく非常に有利です。

集中して取り組むこと

自分が取り組んでいることに集中して取り組む習慣を持っていることも、成長していくためには欠かせない要素の1つです。

70%のほどほどの力で長時間ダラダラと作業をこなすよりも、100%の力でしっかりと集中して短時間取り組む方が成長は進んでいきます。

なぜかと言えば、ほどほどの力で取り組んでいる状態というのは自分の力を十二分に発揮していないため、いつまでも現在の自分の力の上限から向上していかないのです。

しかし、100%の力で短期的に取り組む習慣があると、取り組むうちに次第に以前の自分の100%以上の事ができるようになっていくのです。

継続するための理由を明確に持っている

これまでみてきたように、自分の才能を伸ばすためには多くの人が想像しているよりも、現実的で少し骨が折れる作業(限界を超え続ける)が求められます

この限界を超えるプロセスを続けていくためには、本人に何がしかの継続するための理由が必要となってきます。

例えば、先ほど紹介した長友選手、片桐さん、マッスル北村さんは継続するための明確な理由を持っていました。

長友さんは「世界的なサッカー選手として活躍したい」

片桐さんは「憧れていたハリウッド映画の世界で働きたい」

マッスル北村さんは「僕には時間が無い。生まれてきたからには、自分の目標となるものをみつけ自分の限界まで挑戦したい。」

など継続する理由(夢)を持っていたのです。

継続するための理由には大きく分けて内的な意欲と外的な意欲の2種類があります。

内的な意欲は夢や興味・関心・信念など自分の内部から発せられる動機で、外的な意欲とは誰かから認められるか、尊敬されるから、報酬がもらえるといった外から与えられる動機です。

どちらも継続するためには重要な要素となりますが、内的な意欲が強い方がより長時間継続するためには重要な要素です。

また、継続する環境を整えることも重要です。そのためには継続を妨げるような要素を排除することも重要です。例えば、集中して取り組む時には他の人が邪魔してこない場所にいって作業をしたり、スマホを使えないようにしておくなどです。

人間は頭ではこうしなければいけないと分かっていても、目の前にある誘惑に負けてしまったり、何かと口実をつけてやらないことを選択したくなります。

ですから、継続する環境を整えることは非常に大切です。

自分はできると信じること

「自分は成功できる」という気持ちや「自分は上達することができる」と信じる気持ちは成長するためには欠かせない要素です。

こういった信念を持つことは、練習を継続する意欲や自分の力を100%発揮して取り組むということにも密接に関わってくる重要な事です。

自分はできると考えることで、練習する意欲は高まり、自分の100%の力を発揮して物事に取り組もうとします。その結果、段々と自分の能力が向上していき、成功を掴むことが可能になっていくのです。

 

まとめ

自分には才能がないという人に多いのが、少しやってみて周りと比べて上手く出来なくて、止めてしまい、自分には才能が無いのだと落ち込んでしまうことです。

恐らく、こういった人の頭の中にあるのは「才能がある」というのは、取り組んでからすぐに人よりも秀でた成果をあげることができなければ、才能があるということにはならないという信念だと思います。

この何かに取り組んだ初期の能力値にこだわりだすと、もっと自分向いた分野はないのかと彷徨い歩き、その結果、何をやっても中途半端な段階で挫折してしまうようになります。その結果、何も身についていない「中途半端な自分」ができあがることになります。

僕が思うのは、最初の初期値はある程度で良いということ。大切なのは何となく興味があるなとか、これをやってみたいな、好みに合いそうだというフィーリングで、それを今日紹介したような方法で、自分を背伸びさせるようにして向上させていくこと。

そうすれば、次第にどこかの段階で必ず自分の軸となるような才能ができるのです。

是非、自分の才能について迷ったり悩んでいる人には実践して欲しいと思います。
それではありがとうございました。