会社や特定の組織・グループなどで業務をこなしていると、自分の意見が周囲に受け入れられることが多い人と、反対に意見が全く受け入れられない人がいます。

両者の違いはどこにあるのでしょう。

「喋りだすとその場にいた皆が耳を傾け、会話の流れを一気に変えてしまう」

「その人の行動に従って多くの人が同じ行動をとる」

このように影響力を持った人になるためには一体どうすればよいのでしょうか。

実は影響力のある人は共通して同じ特徴を持っているのです。この特徴を無意識のうちに使うことによって周囲を容易に動かしていたのです。

影響力が無いと感じている人も今からご紹介する特徴を取り入れることで、徐々に影響力を強くすることが可能です。

この記事では会社や特定の組織・グループ内で影響力のある人になる事にフォーカスし、そのためには何が必要なのかを解説します。

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影響力が高い人になるために必要な3つの原理

なぜ人は無意識のうちに影響を受けてしまうのでしょうか?

この疑問に人間心理のメカニズムを解明した著作「影響力の武器」(著 ロバート・B・チャルディーニ)は答えてくれています。

この本の中で著者のロバートさんは、人間が他人から影響を受けてしまうのには6つの原理があると記しています。

その6つの原理とは

  • 「返報性」・・・親切を感じたら相手にお返しをせずにはいられない
  • 「一貫性」・・・一旦決定を下したり、立場をとるとそれを貫きたくなる
  • 「社会的証明」・・・多くの人が取っている行動を正しい行動だと判断する
  • 「好意」・・・好意を持っている人の要望をきいてあげたい
  • 「権威」・・・権威には盲目的に従いたくなる
  • 「希少性」・・・手に入りにくいものほど、より価値のあるものに思える

です。この6つの原理が働く事によって知らず知らずのうちに、私たちは動かされているのです。

この原理の中でも「影響力の高い人」と関連が深いのは「権威」「好意」「返報性」の3つの原理です。この3つの原理のいずれか、もしくは複数の原理を影響力の高い人は持っているので、周囲は知らず知らずのうちに影響を受けてしまうのです。

ここからは影響力の高い人が、具体的にどのような特徴を持っているのかについて詳しく解説していきます。

 

権威の原理

権威とは周囲の人が盲目的に従ってしまうような力の事を指します。

会社や特定のコミュニティでどのようなものが権威となるのかについて以下で詳しく解説をしていきます。

周囲から認められるスキル・実績を持っている

コミュニティ内で周りの人から認められるようなスキルや経験を持っている人は自然と影響力が大きくなります。

周囲から認められるようなスキルや経験とは、取得するのが非常に難しい資格を有していたり、仕事で突出した実績を残しているなどです。

無意識のうちに人間は秀でた経歴やスキルを持っている人と接する時、その人の発言を注意深くきき、重く受け止めます。

ちなみに社会的に広く認められるような実績を持っていると、会社や組織内だけでなく、その他のより多くの人に影響力を及ぼすことが可能です。

例えば、あなたが本を出版したことがある、◯◯の分野で博士号を持っている、年商1億円を一人で売り上げた事がある等の実績があれば社会的に多くの人があなたの話に耳を傾けてくれやすくなるのです。

常に結果を出している・行動に信頼が持てる

上記の周囲から認められるスキル・経験ほどは目立たないかもしれませんが、いつも行動や発言が的を得ていたり、信頼が持てる人は周囲への影響力が次第に高くなります。

安定して結果を残しているので、周囲の人は「この人の言うことなら間違いがない」と無意識に感じ意見が通りやすくなるのです。

新たな視座や気づきを与えてくれる

日頃の業務や会議などで、周囲が「なるほど」と頷いてしまうような意見を言ったり行動をとる人も影響力は高くなります。

そういった新たな視座や気づきを与えてくれる存在は「権威」となり得るのです。

新たな発見や気づきを与えるような発言をしてみたいと思っても簡単にポンポンとできるものではありません。しかし、自分の役割や立場を意識して発言をすることで独自性のある発言は生まれやすくなります。

態度(外見、表情、口調、言葉遣い)が堂々としている

アクシデントが起きたり、非常に忙しい時であっても常に落ち着き・堂々とした態度で対応ができると、周囲の人から信頼されます。

こういった場合に焦ってしどろもどろになってしまったり、言葉遣いが荒っぽくなることが続けば、表面上は普通に付き合っていても、内心では深く信頼されることはありません。

態度で特に大事なのが、外見や表情、話し方など話の内容以外の要素です。(もちろん内容が重要ではないわけではありませんが)

「人は見た目が9割」(著 竹内一郎)という本がベストセラーになったのを覚えているでしょうか?

これはメラビアンの法則を紹介した本です。メラビアンの法則とは人の行動が他人に及ぼす影響は「見た目などの視覚情報58%」「口調などが33%」「話の内容などその他が7%」という法則です。

つまり、コミュニケーションにおいては見た目や口調などの情報が非常に重要な要素だという事です。

影響力の高い人になりたいのであれば、まずは見た目や話し方などをより周りから信頼されるように変化させると良いでしょう。

もし内心死ぬほど焦っていたとしても、表情や振る舞いには出来る限り出さないよう努力するのです。

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返報性の原理

「返報性」の原理とは簡単に言えば、誰かに恩義を感じたらそれを返したくなるということです。

この「返報性」の原理も影響力の高い人が持っている特徴の1つです。

何か(知識やスキルなど)を与える側の人間である

影響力がある人は知識や技術などを与えられる側ではなく、必ず与える側に立っています。

なぜ与える側の人は影響力が高いのでしょうか。これは「返報性」と「権威」の2つの原理が働くからです。

知識やスキルを周囲の人に教えたりすることで、与えられた周囲の人は恩義を感じ無意識のうちに相手に何かを自分も返さないといけないと感じます。(返報性)

また与えるということは、知識やスキルなどを周囲の人にみせることにもなるので、無意識の内にどれだけ自分が優れているのかを示すことにも繋がるのです。(権威)

こういった理由から与える側の人は高い影響力を持ちやすくなるのです。

周囲の人を助けている

あなたの周りには頻繁に誰かの相談に乗ってあげたり、困っている人がいたらスグに手助けしてあげる人はいますか?

このように他人をフォローする力が高い人は影響力も高い人である可能性が高いです。

多くの人の手助けをしているということは、それだけ周りに(その人に対して)恩義を感じている人が多いということです。

恩義を感じているとそれを返したくなるので、難しい依頼をされたとしても受けてもらいやすくなりますし、会議で意見を述べても皆に理解される事が多くなります。

 

好意の原理

好意の原理は自分が好意を持っている人からの期待・要望に応えたくなる心理です。

例えば、保険のセールスレディの勧誘をいつもさっさと断っている人も、保険会社に勤めている親しい友人から「今月ノルマの達成が苦しくて、どうかウチの保険に入ってくれないか?」と誘われたら無下に断ることはできないでしょう。

これが好意の力です。

コミュニケーション能力が高い

周囲の人とコミュニケーションを取るのが上手な人は影響力が高い人といえるでしょう。

コミュニケーションを取るのが上手い人は自然と周囲から好かれるので、関係が長くなればなるほど次第に影響力も増してくるのです。

人柄が良い

人柄が良い人は影響力が高い傾向にあります。

非常にぼんやりとした表現で恐縮ですが、人柄が良いとは例えば寛大な心を持ち品行方正であるとか、誠実で義理深い性格を持っているということです。

人柄の良い人は自然と周囲の人を惹きつけることができますし、周囲の人もその人の言葉は無視することができませんし、期待に応えたいと感じるのです。

 

まとめ

今日お話ししたことを簡単にまとめると周囲の人に影響力を与える方法は2つあり、

1つ目は「周りの人があなたを認めるほどの権威(実績やスキル、態度など)を身につけること」、2つ目は「いい人」であることです。

影響力を高めたいにも関わらず、もし現在あなたが権威となるようなものを何も持っていないのであれば、「いい人」になる事を目指しましょう。

「いい人」とは説明した通り、与える側に立ち、助けを必要としている人を助け、良い人柄を持っている人のことです。

「いい人」になる努力を続けていれば、あなたは知らず知らずのうちにあなたは影響力が高い人になっているのです。