最近はカジノが日本にも建設されるとニュースで話題になっていますが、実際のところどうなのでしょうか?
国会などではカジノ法案が審議され可決されており、流れはカジノ設立に向けて少しずつ傾いているように感じます。
日本にカジノが設置される場合それは一体どのようなものになり、どんな目的で作られ、またメリット・デメリットをもたらすのかについて、カジノ法案の中身を実際に引用しつつ見ていきたいと思います。
Contents
カジノ法案とはどんなものなのか?
カジノ法案とはカジノを中心とした統合レジャー施設の建設を推し進めるための法案のことです。
私がカジノが日本に設置されるかもしれないというニュースを初めて聞いた時感じたのは、「えっ、日本って賭博禁止でじゃないの!?」という疑問です。
国民にとってデメリットが大きいからギャンブルは禁止されているはずなのに、なぜ禁止されている賭博行為をわざわざ解禁しなければならないのか・・・もっと大きな利益がそこにはあるからなのか・・・
その疑問には追々答えていくとして、まずは国会に提出されたカジノ法案(正式名称は特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)の中身について概要を解説をしていきたいと思います。
カジノ法案を政府が推し進める理由
カジノ法案は野党や世論的にも反対の意見が多い中、なぜ政府はここまでゴリゴリと推し進めているのでしょうか?
まずは政府がカジノ設置を押し進める目的についてみてみましょう。
以下はカジノ法案の第一条です。
第一条 この法律は、特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことを目的とする。
要するに、カジノを設置する最大の目的は「カジノによって利益を生み出し、日本経済を豊かにする」ということです。
ちなみにカジノを設置した際の経済効果ですが、東京・大阪・沖縄の3箇所に設置した場合3〜5兆円程度の経済効果があるとも言われています。
日本の税収が40兆円ほどですから、3〜5兆円が日本にとってどれ位インパクトのある数字かが分かります。
経済効果が大きそうなのは分かりましたが、カジノ設置に伴う様々なデメリットを含めても設置するのが良いのでしょうか?
どんな施設で誰が運営するのか?
次にカジノ施設は具体的にはどのような施設になりそうなのかについてみていきます。
第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設(別に法律で定めるところにより第十一条のカジノ管理委員会の許可を受けた民間事業者により特定複合観光施設区域において設置され、及び運営されるものに限る。以下同じ。)及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするものをいう。
これを見ると、カジノといっても宿泊施設やその他のレクリエーション施設などを含んだ大規模なレジャー施設になりそうだと予想できます。
私自身マカオや韓国、ラスベガスのカジノにも行ったことがありますが、それらのほとんどが大規模なホテルの中に入っていて、そこにはショッピングモールや演劇場、レストランなど沢山の施設が集まっていました。
恐らく日本にカジノができた際にも同じような形態になるのではないかと思います。
ちなみにカジノの運営は民間業者が行います。
つまり競馬などとは違って公営ではなく、民間業者がカジノの運営を担うということです。
もちろん政府は表面的には法律によって規制するのでカジノは安全だと言うと思いますが、
民間業者が運営するというもあり、莫大な利権を巡って暴力団など闇組織が絡んでくる恐れもあるほか、海外の闇組織のマネー・ロンダリング(資金洗浄)に使われたりするなどの危険性も高まるでしょう。
結局日本にカジノはいつできるのか?
結局日本にカジノはいつできるのか?
このままスムーズに整備が進んだと仮定すれば、2020年代の前半〜半ばあたりになりそうです。
ここまで長引く理由は法の整備や建設地の選定など様々なプロセスを経る必要があるからです。
大まかな今後の流れは以下のような感じです。
1.カジノ法案(IR推進法)
↓
2.カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案(2018年7月20日 衆院本会議で可決・成立)
↓
3.法の整備や建設予定地域との調整
↓
4.建設
カジノ法案は実はプログラム法と呼ばれていて、具体的な規則などを細かく定めたものではありません。
カジノ法案は言わば「これからカジノを作って行きますがよろしいですね!」と周知しそれを認めてもらうためのものなのです。
これがOKとなれば、具体的なものを定めたIR実施法案を作っていくという流れになります。
現在はカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が可決・成立していますが、カジノが実際にできるまでにはまだまだ時間がかかるのです。
また反対意見も多いので実際には擦った揉んだしてもっと時間がかかることも十分に有り得そうですね。
日本にカジノができるメリット・デメリット
カジノが実際にできるとどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
ざっとですがまとめてみました
カジノができるメリット
- 莫大な経済効果
- 海外観光客の増加
カジノができるメリットは政府がカジノを推し進めている目的の通り「莫大な経済効果」が主でしょう。
設置するだけで数兆円規模と、ここまで大規模な経済効果が見込めるものはそうありません。
日本創業の世界的なアパレルブランド「ユニクロ」でも売上高は2兆円ですから、本当にカジノの収益性は異常です。
カジノができるデメリット
- 治安の悪化
- ギャンブル依存症の増加
- 借金・自己破産をする人の増加
- マネー・ロンダリング(資金洗浄)に利用される
- その他の産業への資金流入の減少
カジノができるデメリットは非常に多くのものがあります。
暴力団など闇組織の介入、ギャンブル依存症の増加、ギャンブルによって破滅してしまう人がでるなど・・・
また数兆円規模の売上高も見込めるわけですが、それを違う視点からみれば他産業に振り分けられるはずだった資金がカジノに向かってしまう、という見方もできます。
韓国では過去にパチンコが存在していました。売上高も数兆円規模でしたが、ギャンブル依存症者が増加したため、2006年にパチンコ全廃を韓国は決めました。その結果、翌年には他産業の売上高が軒並み増加したそうです。
カジノという産業事態がそこまで日本にとって生産性が高く、有益な産業であると個人的には思えません。
そこに大量のお金が注ぎ込まれてしまうのは勿体無いことだと感じますし、本当に日本の成長にとってプラス材料なのでしょうか?
まとめ
カジノを建設するとしてどの程度デメリットを抑制することができるかが重要になってくると思います。
とはいっても他のギャンブルと同様にどれだけ対策をしても、借金まみれになったり、自己破産したり、依存症になったりする人は少なからず出てくるはずです。
それがどれ位の規模になるか分かりませんが、こういった形でしかインパクトのある経済政策って行えないのかな〜と感じてしまいます。
もっと生産的なやり方ってあるんじゃないかなと・・・