学校でクラスメイトから、職場で上司や後輩から、家の近所の人から悪口を言われる。
誰であれ長い人生を生きていれば、多かれ少なかれ悪口を言われることはあるものです。
悪口が自分に対してではないにしても、暇さえあれば悪口ばかりを話しのネタにする人が周りにいる場合もあります。
こんなふうに悪口を言う人達に対して、どう対処するのが一番良いのでしょうか。
悪口を言われた方は心に大ダメージを受けます。特に信頼していた人から悪口を言わればさらに傷は大きいですよね。
「自分って周りから嫌われてるのかな?」
「このままでは仲間外れになってしまうかもしれない」
「やっぱり自分はダメなんだ」
・・・
考えれば考えるほどだんだんネガティブになり、エネルギーを奪われ、やる気メーターが無くなっていきます。
「こんな気持ちが続くのは嫌だ。どうにかして、この辛い心から早く抜け出したい。」
僕は過去にそう考え、悪口を言う人の心理や、悪口への対処方法を色々と研究しました。
(スグにとはいきませんでしたが)色々と試行錯誤した結果、やり方次第で悪口の影響を問題ないレベルまで小さくできることがわかったんです。
悪口はそのまま直にぶつかってしまうと自分のエネルギーや時間を奪い取られてしまいます。ですが、対処方法を間違わなければそういった事態をきちんと回避することができるようになれます。
悪口ばかりを言う人に対して時間を使ったり、悪口を言われて憂鬱になってあなたの貴重な人生の時間を浪費してしまう。これは本当に勿体無いことです!
ちなみに悪口を言われて全くダメージを受けないようになる方法はあるか?と言われれば、そんな方法はありません。
何故なら人間であれば信頼している人から悪口を言われれば、無意識に裏切られたと感じ、必ず誰であっても傷つくからです。
この記事では、あなたに悪口を言う人の心理を理解してもらい、正しく悪口へ対処できるようになってもらいます。
悪口への上手な対処は練習次第で修得する事ができるものです。
正しく悪口へ対処できると悪口対して余計なエネルギーと時間を使わないようになり、辛い心から早く抜け出すことができ、もっと有意義に人生を過ごせるようになれるのです。
※ちなみに「悪口」と「批判」と「愚痴」は違い、今回お話しするのは「悪口」についてです。
・「悪口」・・事実を曲げて悪く言うこと。相手を貶めるような言動または相手の人格を否定するような言動
・「批判」・・物事を検討し、事実や善悪を根拠に判定や評価をおこなうこと
簡単に言えば、「悪口」は根拠のない相手への嫌味であり、「批判」は(正しいか正しくないかは別として)根拠をもって誤っている点や改善点などを指摘することです。
スポンサードリンク
Contents
悪口を言うの人の心理には3つの種類がある
悪口への対処方法を理解するためには、まず悪口を言う人の心理を知っておかなければいけません。
僕が以前働いていた会社に人の悪口ばかりを言う上司がいました。
その上司は暇さえあればこんなことを喋っていました。
「〇〇さんがいなければ最高なのにな〜」
「本当〇〇ってどうしようもない奴だよな」
「あいつは馬鹿だからホント使えない」
・・・
僕はこんな時、
「なんで、相手を不快にさせたり、好んで揉め事を生むようなことをするんだろう」
「こういう事を言う人の奥底にはどんな感情があるんだろう?」と凄く疑問に感じたんです。
そこで悪口を言う人の心理について自分の経験や書籍を読み考えました。
すると悪口を言う人の心の底には3つの種類の心理が隠されていることが分かりました。
1.自分の満たされていない心を解消するため
心理的に自信が持てなかったり、不安感を抱いている人(満たされなさを抱いている人)は悪口を言う傾向があります。
心理的に満たされている人はわざわざ悪口を言って他人を攻撃しようとは思わないのです。(心理的に完全に満足している人はほぼいないので、悪口を言う人は多いのですが・・・)
なぜなら悪口を言う人は悪口を他人にぶつけることで、自分の心理的な満たされなさを解消しようとして、無意識に悪口を言いたくなるのです。
悪口は相手を心理的に自分と同じレベルまで引きずりおろす行為
なぜ自分の自信のなさや不安感を解消するために他人の悪口を言いたくなるのでしょうか?
満たされない気持ちを持つ人は、悪口を言うことで「満たされない自分と同じレベル」もしくは「それ以下のレベル」まで相手を引きずり下ろし、心理的な安定を手に入れようとするからです。
特に学校や会社など集団の中にいるのであれば自分の地位(どういったポジションにいるのか)を誰しも多かれ少なかれ考えます。自分に自信が持てなかったり、劣等感や不安感を抱いていると、心は「集団の中で自分の地位が不安定になった」と感じます。
自分の地位が集団の中で不安定になるということは、集団の中でポジションが低くなるかもしれない(食料の確保や配偶者獲得に不利になる)ということなので動物的にみると危機的な状態になりますよね。
すると、心は無意識のうちにその不安定な心を安定させようとし、誰か他の人(攻撃しやすい人)を自分よりも下の地位におとしめること(自分より地位の低い人を作る)で自分を優位に立たせようとするのです。
これが悪口を言いたくなる要因です。
ちなみに満たされない気持ちを持つ人が悪口を強く言う傾向があるだけで、この悪口を言って他人をおとしめて相対的に自分の地位を満足させようとする心理は人間であれば誰しもが持っています。
蛇足ですが芸能ニュースや芸能雑誌が売れ続ける理由もココにあります。芸能雑誌は喜ばしい芸能人の記事よりもスキャンダルを報じた方が売上が跳ね上がるそうです。
多くの人は芸能人がスキャンダルによって落ちるのを見て一種の快感を感じているんですね。
2.悪口を言うことで他者よりも優れていると感じれるから
人間には「他者よりも有利な種でありたい」という本能が生まれながらに備わっています。
他の人よりも優位でいたいという心理は、人間が群れの中で他者より優れていればいるほど生き残りやすくなるために生まれた心理です。
悪口はこの「他者よりも有利な種でありたい」という人間の隠れた心理を満たしてくれます。
他人を悪く言うことで「自分はその人よりも少し上のランクの人間なんだ」(真実ではないとしても)と一瞬でも心地よさや満足感を感じさせてくれるのです。
他人の不幸も悪口と同様に心地よさや満足感をもたらします。これは他人の不幸は相対的に自分のランクをあげてくれるので本能的に快感を感じるのです。
これは科学的にも証明されていて、他人の不幸を見た時に人間は脳の線条体(快楽や満足感をもたらす「ドーパミン」が放出される部位)が活発化することが示されています。
ちなみに、全ての人の不幸に対して線条体が活性化するわけではありません。
妬みや嫉妬を抱いている人の不幸を見た時は楽しさ、喜びを感じますが、嫉妬や妬みを抱いていない人が不幸になったのを見た時は心配や同情を感じるのです。
3.自分が(本当は望ましいと思っているが)抑圧していることを他人がやっていると無意識に攻撃したくなるから
自分が本当はやりたいと望んでいても何らかの理由でそれができない場合、それをやっている人を無意識に攻撃したくなります。
具体的に説明すると、例えばダイエット中の女性がいたとします。この女性はダイエットのために好きな食べ物を我慢したり、怠けたくなる気持ちを抑えてジム通いを数ヶ月続けています。
この女性がテレビで好きなものを食べたり、運動もしないで痩せているように見える人をみると何故だかイライラしてきて、次のように思います。
「なんで私はこんなに我慢してるのに、アンタは好きな食べ物を好きなだけ食べて、運動もしないのに痩せてんのよ!」
と、これが自分が抑圧していることを他人がやっていると無意識に攻撃したくなる心理です。
これは心理学的に言えば「投影」という心理です。
「悪口」を言う人にみられる「投影」という心理
「投影」は精神分析の創始者ジークムント・フロイトの娘であるアンナ・フロイトが提唱した心の防衛機能の1つです。
「投影」は非常に強力なツールで、これを上手に活用できれば自分自身を理解したり、人間関係を改善することもできます。
「投影」について詳しく話しだすと、終わらなくなってしまうので別の機会にまたお話しすることにし、ここでは簡潔に分かり易くご説明しますね。
「投影」とは一言で言うなら「自分の作った偏ったフィルターを通して物事を見ること」です。
人間は様々な経験をするうちに知らず知らずのうちに、自分のフィルターを作り、自分独自のフィルターを通して世界を見るようになります。
このフィルターは自分の体の一部分のようなもので、本人はフィルターを通して世界を見ているとは全く思いません。
これがよく分かる例として有名な「ルビンの壺」とよばれる絵があるので見てみましょう。
これはある人から見れば「人の顔が向かい合っている絵」に見えます。
しかし、また別の人から見れば「盃もしくは壺の絵」に見えます。
2つが同時に見えることはありません。必ず見る時は1つの意味からしかみえません。
これがフィルターです。人間は知らず知らずのうちに独自の視点から偏って物事を見てしまうのです。
さっきのダイエット中の女性でいえば、ダイエットをする中で「好きな食べ物を食べてはダメ!」「怠けたくても運動をしないとダメ!」というフィルターが作られていきました。
そして自分が我慢しているものを平気でやっている人をみると本人は何故だか分かりませんが無性に腹が立ち(自分が作ったフィルターに引っかかっているからなんですが)悪口を言いたくなったのです。
スポンサードリンク
悪口はあなたの問題ではない相手の心の問題なのだ!
悪口を言う人への対処方法をご説明する前にここまでを整理しておきましょう。
悪口を言う人の心理には3つの種類がありました。
- 自分の満たされない心を解消するため
- 他者より優れていると感じれるから
- 「投影」という心理から相手を無意識に攻撃したくなるから
この3つを並べてみると共通点があることに気がつきませんか?
そうです。悪口は「悪口を言う人の心の問題」なんです。
悪口を言われると言われた相手も何か悪いような気がしますが、実はそれは間違いです。
悪口はその人自身の問題を相手にぶつけているに過ぎないのです。
これは次に説明をする悪口を言う人への対処方法を考える上で、重要な考えなので覚えておいて下さいね。
悪口ばかりを言う人への対処方法3ステップ
悪口ばかりを言う人がいます。
そのシチュエーションは様々ですが、シチュエーションとしては2つに分けられるでしょう。
- 悪口が他の誰かに向かっている場合
- 悪口が自分に向かっている場合
です。
このどちらの場合であっても対処方法は同じです。
順を追って説明していくのでこの通りに実践していけば今よりも快適に過ごせるようになれます。
それでは悪口を言う人への対処方法について説明をしていきます。
1.悪口に対してあなたが責任を感じる必要はどこにもない
まず最初にお話ししたいのが、もしあなたが誰かから悪口を言われたとしてもあなたは全く悪くないということです。
確かに悪口を言われれば「自分にどこかいけないところがあったんだろうか?」と考えてしまうものです。
しかし、先ほど説明したように「悪口はあなたの問題では無く相手の心の問題」なのです。
だから、それに対して何かしら責任を感じているのであればそれは見当違いということです。
あなたが非を感じる必要性は全く無いですし、自分について考えたところで解決には繋がりません。ただあなたの心がネガティブになっていくだけです。
悪口を言われたからといって、自分に矛先を向けるのは間違いなのでやめましょう。
2.できるだけ悪口を言う人から「離れる」ようにする
悪口を言われたり、悪口ばかりを言う人が周りにいる場合の一番良い対処方法はシンプルです。
悪口を言う人にはできるだけ「関わらない」その人から「離れる」ことです。
相手は悪口を言うことで、心の奥底では他人を引きずり降ろそうとしたり、自分の抑圧した感情をぶつけて解消しようとしたりしているんです。
そんな相手と関わってもあなたにとって良いことは1つもありません。だから離れるんです。
「でも、嫌われたくないし・・・」
嫌われたくないのは分かりますが、悪口ばかりを言う人と関係を深めても良いことはありません。
そういう人は対象を変えて、自分の心のはけ口である悪口を言う相手を探し続けるのです。
ですが、どうしてもそういう人と付き合わないといけない場合もあるでしょう。
そんな時は適度に距離をとって付き合えばいいのです。
ちなみに僕も上司が悪口ばかりを言うタイプの人間だった時が何回かありました。
そういう人に対して僕は聞いてるふりをするか、もしくは適当に受け流して距離を取って付き合うようにしていました。
多分、相手は悪口に一緒に乗っかって欲しかったんだと思うのです。
しかし僕は悪口の話題に対してそっけない態度、話に乗らない、話をそらすようにしていたので
「嫌われてしまったらどうしようかな?」とも少し思いました。
しかし、
「嫌われるならそれでいい、そんなしょうもないことに時間を使いたくもないし、もし悪口が自分に向いてどうしようもなく嫌になったら居場所を変えればいい。」こう考えて過ごしました。
すると次第にノリの悪い僕には悪口の話題をその上司は振ってこなくなりました。(まあ裏で悪口を言われていたかもしれませんが)
3.悪口を言う相手を自分の中で重要視しない
悪口を言っている人のことを自分の心の中で重要な人だと考えてはいけません。
会社の上司や取引先の人であれば自分の心の中で重要な人だと無意識のうちに考えがちです。
しかし、もし重要な人物だと思ってしまうと、その人から自分が悪口を言われた時非常に傷つきますし、誰かの悪口を言っている時もかなり気になります。
そのため自分の心の中でその人の事を「自分にとってあまり重要でない人」という認識に変えるのです。認識を変えると言ってもやり方は簡単で心のなかで相手を重要視しないだけです。
これは効果絶大なので是非やって欲しいですね。
スグには意識を変えることは難しいかもしれませんが、しばらく相手を自分にとってあまり重要でないと考えていると次第に認識が変わってきて楽になれます。
他人が悪口を言う人を改めさせるのはとても難しい
他人が悪口ばかりを言っている人を根本的に悪口を言わないようにさせるのは至難の技です。
何故なら根本的に悪口を言わないようにさせるためには、相手の心の根っこにある心理的な問題を解決する必要があるからです。
だから個人で悪口ばかりを言う人を悪口を言わないようにさせようとするのは、やめておいた方が無難です。
あなたに悪口の矛先が向かってくる危険性もありますし、
悪口を言うのをやめるように働きかけ、一時的・表面的にやめさせたとしても、相手の心の問題は解決されていないのでまた同じようなことを繰り返してしまうでしょう。
ですから相手の心の問題が解決するのを待つことが一番良いですが、それはいつになるのか分かりません。
だからこそ悪口を言う相手とは適切な距離を取るのが良いのです。
優先度の高い課題をこなすことに集中する
悪口を言われて悩んだり、悪口を言っている人と一緒になって悪口をいったりなど、悪口に対して何かしらの反応をしてしまうと、悪口を言っている相手の人生に乗っかってしまうことになります。
また相手の言動に反応してしまうことで、さらに相手が自分に対して悪口を言ったり、話を振ってきたりすることにも繋がってしまいます。
それは率直に言ってあなたの人生の時間の無駄です。
もう一度言いますが、相手の人生に乗っかる必要は全くありません。
自分が重要だと感じていること、優先順位の高いことに集中しましょう。
悪口によってあなたが本来するべき事にエネルギーを使われなくなってしまってはいけません。自分の今やるべきことに集中しましょう。
それでも、どうしても嫌なら逃げて環境を変えてもいいんです
相手の悪口に対してあなたが反応しなくなれば、悪口を言われたり、悪口を振られたりすることは減っていきます。
しかし、もしも悪口を言うような相手と関わらないようにして、距離をとっているにも関わらず、相手が過剰に自分に悪口を言ってきたり、悪口をばかりを言う人が周りにいて、どうしようもないほど煩わしさを感じたり、嫌でしょうがない状態にあるのなら環境を変えましょう。
そんな辛くてしょうもない環境であれば逃げても大丈夫です、あなたがそこにいる必要はありません。積極的に環境を変えるよう動いて別の環境に移りましょう。
まとめ
ここまで悪口をテーマに話してきましたが、悪口を言う人の心理や対処方法はご理解いただけましたか?
正直言うと、悪口は誰しも経験する身近なテーマですが、長年に渡って多くの人が悩んできたテーマでもあり、心理的な面からみてもかなり複雑でややこしく、これをやれば全て解決するような魔法の解決策はありません。
しかし、大切な事は今日お話ししたように、悪口に対して時間とエネルギーを使うのではなく、いま自分の集中すべきこと・優先すべきことに時間とエネルギーを使うということです。
悪口に悩んだり辛くなったりふさぎこんだりして、あなたの人生の貴重な時間を使うのはすごくもったいないのです。
そうではなく、もっと自分の好きな事、楽しいこと、やりたいことに時間を使うのです。
もしあなたがそうでないのなら、今すぐそうして下さい。そしてこれからより良い人生を送って下さい。
それではありがとうございました。