働いている人であれば「天職」をみつけたいという欲求にかられた事が一度くらいはあるかもしれません。

またはこれから就職して働こうと考えている人であれば、どうせなら「天職」と呼べるような自分に合った仕事につきたいと思うでしょう。

ここで問題となるなのが、どうやって「天職」をみつけたら良いのか?という事です。

「自分にはこれが合っている」「心からこれがやりたい」「これが大得意」というものを持っていれば話は早いかも知れませんが、実際にはそういったものを持っていない人がほとんどです。

自分に合う仕事ってどんなものだろうかと悩み、転職サイトで適職診断をしたり、頭の中で自分の天職を探したとしても答えはみつからない事がほとんどでしょう。

今回の記事では普通の人が「天職」をみつけるためには、具体的に何をしていけば良いのかについてお話していきます。

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「天職」を満たす2つの要素

「天職」の辞書的な意味は「その人の天性に最も合った職業、自分の能力・適正にあった仕事」です。

「天職」といってもボヤーッとして曖昧なので、まずは天職とはどういった要素を満たすことができれば実現されたと言えるのかについて考えてみます。

これを考えることで天職に就くための方法もはっきりしてくるので少しお付き合いください。

能力が高いこと

1つの要素として何らかの分野で人に比べて秀でた能力を持って活躍している場合には、それを天職だと言って良いと思うのです。

将棋の藤井聡太七段がいますが、14歳でプロデビューしそこから無敗で歴代最多連勝記録(29勝)を樹立するなど、明らかに群を抜いた才能を持っています。

藤井聡太さんがここまでの素晴らしい活躍ができるのは、将棋の世界が自分に合っている「天職」だからと言えるのではないでしょうか。

ちなみにどの程度の能力あれば「天職」と言えるのかは、1つの目安として周りの人を見渡してみて自分の方が上手くできると感じる割合が高ければ高いほど「天職」といえる可能性が高いと思います。

心から楽しいと感じる事

もう1つの「天職」の要素は、その仕事をすること自体が心から楽しいと感じる事です。

これは能力云々に関係なく、それをすることそのものが楽しくて仕方がないという状態です。

また他人の評価も関係なく、主観的に心底楽しんでさえいれば立派な「天職」と言えると思うのです。

 

天職を発見するためのマトリクスチャート

先ほど天職に必要な2つの要素である「能力の高さ」と「心から楽しいと感じる事」についてお話しました。

僕の考えでは天職というのはこれらのどちらか一方の要素でも満たすことができていれば、その仕事は天職になり得るものだと考えています。

これらを表にすると以下の様になります。

能力が高い 能力が低い
心から楽しい
楽しくない

「◯」と「◎」の部分がが天職になりえる仕事です。

「能力が高く心から楽しいと感じる仕事」に就くことができれば最高だと思いますが、最初から両方を満たすような仕事を見つけることは極めて難易度が高いです。

何故なら天才でも無い限り、仕事に就いた初期から突出した高い能力を持っている人はいませんし、心から楽しいと感じる事なんて無い!という人が大半であり、どちらか一方の要素を満たすだけでも難しいからです。

じゃあどうすれば良いのか?

まずは「比較的上手くできそうなこと」や「まあまあ楽しいと感じる」をみつけるからはじめましょう。

これは頭でいくら考えても見つかるものではありません。見つけるためにはまずはどんな仕事でも良いので働いてみることです。重要なのは実際に働いてみることでフィードバックを得られることです。

働いてみた感触から自分が「割と上手にできそう」とか「楽しいと感じる」ものを理解し試しながら天職に近づけていくのです。

 

凡人が天職を発見する4つの方法

(現段階で)天賦の才を発見できているわけでもなく、心からやりたいこと、楽しくてしょうがない対象が見つかっていない人。

そういった大多数の普通の人、言葉は少し悪いですが「凡人」が天職を発見するアプローチとしては4つの方法があります。

  1. とにかく沢山の職業を経験する(〜1年未満)
  2. 一定期間働きフィードバックを得て、自分に合った仕事を選択していく(1年〜10年未満)
  3. 1つの仕事を極める(〜定年まで)
  4. 仕事をしながら副業や趣味をしつつ自分に合うものを探す

このうち1〜3までは1つの仕事に概ねどの程度在職するかによって分けてあり、4は1つの仕事を持ちながらそれとは別に副業や趣味をやることで天職となり得るものを探そうというアプローチです。

天職を発見するためには、この中で一体どの方法を選ぶのが最適なのでしょうか?

1つ1つ考えてみましょう。

とにかく沢山の仕事を経験する

この方法は自分にフィットするものが見つかるまで短期間でどんどん転職する方法です。

ポイントはどれだけ沢山の仕事を経験できるかです。

そのため1つの在職期間はとても短く(1年未満)仕事に就いてこの場所で自分は活躍できそうに無いと感じたり、楽しさが見いだせなければスグに辞めて別の仕事を探すのです。

このアプローチの良い点は多種多様な様々な仕事を経験できる事にあり、これだという仕事に出会うことができればゴールというワケです。

デメリットとしては1つの在職経験が少ないので経験値がたまらなかったり、もう少し働いていれば見いだせたかもしれない能力や楽しさの可能性が閉ざされてしまう事です。

フィードバックが得られるまで働き、その後自分に合った仕事を選択していく

次の方法は一定期間(1年〜10年程度)1つの仕事で働き能力を高めたり楽しいと感じるかなどのフィードバックを得て、概ねその仕事について理解できたり自分に合うかどうか等がわかったら次の進路を決定していくというやり方です。

在職期間の長さはその仕事についての理解と自分にフィットするかどうかが理解できた時点で決まります。

現在の仕事の何が気に入っていたり得意なのか、または何が苦手で嫌なことなのかが具体的にわかり、もし今の仕事が活躍できそうになくこの先も楽しくなる可能性は無いと判断すれば、その時点で次の仕事の可能性を模索する必要があります。

1つの仕事を極める

まず1つの仕事に就き、たとえはじめはその仕事が自分に合わなかったり、そこまで楽しめなくても、一生をかけて能力を極めたり楽しさを見出す努力をしていくうちにそれが天職になるという方法です。

この方法の根底にあるのは、どんな仕事に就いたかや自分の適性などはそこまで問題ではなく、仕事を極める努力をすればどんな人でもどんな仕事でも天職に変わるという考えです。

副業や趣味をしながら探す

仕事を続けながら副業や趣味をして自分に最も合った仕事を探そうというアプローチです。

天職を発見しようとするやり方の中で、恐らくこれが最も気軽な方法です。

仕事以外に使える時間を確保できるのであればリスクも無いので簡単にチャレンジすることができます。

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最も効果的な天職探しのアプローチとは?

僕がオススメするのは「フィードバックが得られるまで働き、その後自分に合った仕事を選択していく」と「副業や趣味をしながら探す」というアプローチを組み合わせて天職を探していく方法です。

なぜお勧めなのかというと、最もリスクが少なく失敗した場合も次に繋がっていく可能性が高い方法だからです。

職を転々とする事と1つの仕事だけに集中することの危険性

「とにかく沢山の仕事を経験する」と「1つの仕事を極める」について考えてみると、

「とにかく沢山の仕事を経験する」という考え方は失敗してしまった時に自分に全くスキルが無く下手をすれば仕事が無い状態になってしまいますし、

「1つの仕事を極める」はこういったやり方で天職となれば良いですが、もし一生をかけて取り組んだとしても高い能力が発揮できなかったり、楽しさを見いだせなかったとしたら取り返しがつかないことになってしまいます。

またこの2つの良くない点として、実現されるかどうか分からない期待を拠り所にしている事があります。

「とにかく沢山の仕事を経験すれば天職に出会える」という考えの根底には、(理想の恋人に出会うように)いつか自分の天職に出会えれば仕事をやった瞬間「これが天職だったんだ!?」という感覚が訪れるのではないかという淡い期待があるのではないかと思いますし、

「1つの仕事を極めることで天職になるという考え」にはどういった内容の仕事であるかや自分の適性などは問題ではなく、仕事を極める努力をすればどんな仕事でも天職に変わるだろうという期待があるのではないかと思います。

どちらの考えが正しいのかは分かりませんが、青い鳥を探すように実現されるか分からない考えに寄りかかって、人生にとって非常に大切な天職探しをするのは危険だと個人的には思うのです。

経験のフィードバックから天職に近づいていく

実際にこれまでの自分自身の仕事や趣味などの体験や現在行なっている仕事をしっかりと振り返って考えてみましょう。

考える時のポイントは出来る限り具体的に考える事です。

たとえば何となく仕事が嫌だとか、好きになれないといった曖昧な理由ではなく、自分は不特定多数の人とコミュニケーションを取るような仕事が好きではなく少人数の人と接する事が好きとか、即決即断が求められる仕事は上手くやれないけれどじっくり考えながら進めていく仕事は得意だ。

といった感じで出来る限り詳しく考えるのです。

そうしてフィードバックを繰り返していると、次第に自分がどんな仕事を選択すれば力を発揮し好きになれそうなのかが分かってきます。

現在就いている仕事から概ねフィードバックを得ることができたら、次に自分にフィットしそうな仕事を選択し試してみるのです。

それを繰り返すうちに天職に近づいていくことができます。

だから前提として1回で完璧な仕事を手にすることを目指すのではなく、何回か仕事を変えることを前提に仕事を選んでみると良いのではないかと思います。

時間の余裕があれば副業や趣味を他の可能性を模索するためにチャレンジしてみるのも良い選択肢だと思います。

最近は副業が認められる企業も増えてきたので会社でOKが出ているのであれば積極的にチャレンジしてみましょう。

最初は「何となく上手くできる」とか「結構楽しい」というもので構いませんので、自分なりの感触を掴んで下さい。

注意しておきたいのは、楽しいと感じる事、それなりに上手くできる分野というのは自分が思っているよりは貴重ということです。

自分が楽しいと感じたり、割と上手くやれる事は、他の誰かにとっては全然楽しくもなく、凄い苦手だったりするのでそれらのリソースを大切にして欲しいと思うのです。

 

まとめ

自分に合った仕事に就きたいという願望は多くの人が抱いているものではないかと思います。

少しでも適職に悩んでいる人に今回の記事が参考になったらと思います。

それではありがとうございました。