ビジネスをしている人であれば「バンドワゴン効果」という言葉を聞いた事があるかもしれません。

バンドワゴン効果を一言で言うなら「みんながやっている事は他の人もやりたくなる」という事です。

バンドワゴン効果の身近な例を挙げると、

職場や学校で「〇〇(話題のスポット)に行った?」などと周りにいる人達が盛り上がっていると自分もその場所に行ってみたくなったり、「〇〇(テレビドラマ)面白かったよね」と話したりしていれば、その話題となっているドラマを自分もみたくなった経験があるかもしれません。

これがバンドワゴン効果です。

人は大勢がやっている事を、不思議と受け入れやってみたくなる傾向があるのです。

なぜビジネスをする時に「バンドワゴン効果」が話題にあがる事が多いかと言うと、「バンドワゴン効果」の力を使えばお金や労力をかけずとも大勢の人を集客する事ができるようになるからです。

今回の記事ではバンドワゴンの効果の具体例を紹介し、実際にビジネスに活かすためにはどうすればよいのかについてお話していきます。

 

バンドワゴン効果はビジネスをする人にとってなぜ重要なのか?

バンドワゴンとは「行列の先頭にいる楽隊車」の事で、「バンドワゴン効果」の意味は流行に乗っかったり勝ち馬に乗るという事です。

イメージとしては大勢が列をなしてパレードしていると、どんどん四方から人が集まってきて増えていく感じですね。

ビジネスにおいてバンドワゴン効果の威力は非常に強力であるにも関わらず、あまりその重要性について理解している人は多くありません。

そこでビジネスをする人にとってバンドワゴン効果を理解する事がなぜ重要なのかについてはじめにお話します。

理屈抜きに自動的に選んでしまうようになる

バンドワゴン効果の威力が強力である最も大きな理由として「理屈抜きに選んでしまうようになる」という事があります。

あなたが昼ごはんを久しぶりに会った友達と食べに行くとしましょう。

車を走らせながら「和食か洋食か」「あっさりしたものかこってりしたものか」「近いところか遠くても良いのか」「予算はどれくらいか」・・・などを話していましたがなかなかお店は決まりません。

そんな時ちょうど目の前に行列が出来ているラーメン屋さんがありました。

「う〜ん、このお店にする?」

結局、昼食をこの行列が出来たラーメン屋さんで食べることにしました。

・・・・・

これがバンドワゴン効果の威力です。

私達は普通何かを買ったり、どこかに行ったりする時には大抵の場合「何かしらの理由」を考えます。

しかし、行列や人だかりなど大勢の人が集まっていそうな対象を目の当たりにすると、あれこれ悩んでいた思考がスポッと消え自然と選んでしまう傾向があるのです。

費用はタダ、集客は2倍

バンドワゴン効果をビジネスで活用する具体的なメリットとしては、費用をかけずに集客をアップできるという点があります。

見出しに「費用はタダ、集客は2倍」と書きましたが、実際にはバンドワゴン効果を活用すれば集客は2倍どころか10倍以上の集客をする事もできてしまいます。

しかもアイデア一つで費用をほぼかけずに行うことができる素晴らしいものです。

かなり前の話ですが、僕はクラウドソーシング系のサイトでライターの仕事を受注しようとしましたが、はじめは全く仕事を受注することが出来ませんでした。

そこで、レビューを自分の自己紹介の所に掲載すれば集客できるのではと考えました。

何件か仕事をほぼ無料で引き受け、お客さんには自分の仕事がどうだったのかレビューを書いてもらい、それらを自分のプロフィールにのせようと考えやってみたのです。

すると全く反応が無かった以前とは対象的に、実行してから1ヶ月位でまとまった案件を4〜5件とることができたのです。

レビューを使ったバンドワゴン効果ですが、最初0件だったので成果としては5倍くらいですね。

ビジネスのスタートアップに重宝するスキル

先ほどバンドワゴン効果は費用をかけずに集客アップできるという事をお話しました。

そのため、ビジネスのスタートアップ時期には特に重宝しますし、個人で仕事をされている人も予算が限られていると思いますので凄く役立つスキルだと思います。

是非そういった方はバンドワゴン効果を活用してほしいなと思います。

 

バンドワゴン効果の実例

次にバンドワゴン効果の実例についてお話していきます。

以下に紹介する以外にも、沢山の実例が社会には溢れているのでそれを考えてみるのも面白いと思います。

コンビニの窓ガラスと雑誌の位置

コンビニはバンドワゴン効果を上手く利用して集客をしています。

セブンイレブンやローソンなどほとんど全てのコンビニは、外から中の様子がみえるように玄関側はほぼ全てガラス窓でできている他、玄関側には必ず雑誌が配置されています。

これは適当にそうなっているのではなく理由があります。

(玄関側で)雑誌を立ち読みしているお客さんを(ガラス窓により)見えるようにすることで、それを見た外の人は「お客さんが中にいるんだな〜」と無意識に考えます。

すると、全ての人ではありませんが一定数の人がコンビニに吸い寄せられるように入ってくるのです。

レジ数の少ないレストラン(いきなりステーキ)

繁盛しているにも関わらずレジが少なく行列ができているお店をみたことがありませんか?

「儲かってるんだしもっとレジ数を増やせばいいのに!」

と思うかもしれませんが、実際にそんな事をしたら売り上げが激減してしまう恐れがあります。

何故なら「行列」が人を呼び込むバンドワゴン効果を作っているので、レジ数を増やす事で行列が消滅しバンドワゴン効果が発揮されなくなってしまうからです。

あえて行列を作っているお店として「いきなりステーキ」があります。

いきなりステーキはレジが1つしか無いお店が多く、お昼ごろになると大抵行列ができています。

バルス祭り

インターネットの世界ではバズったり(ネット上で爆発的に多くの人の話題になる事)とか炎上(SNSのコメント欄が批判的な意見であふれること)したりすることがあります。

これらは「みんながやっている事は自分もやりたくなる」という、まさにバンドワゴン効果の実例だと思います。

バルス祭りというのをご存知でしょうか?

バルス祭りとは、ジブリ映画の「天空の城ラピュタ」でクライマックスに主人公達が「バルス」と滅びの呪文を叫ぶ場面がありますが、テレビ放送中に「バルス」と叫ぶ瞬間にTwitterで「バルス」と同時につぶやく事をバルス祭りと呼びます。

バルス祭りは1秒間に最も多くつぶやかれたツイートとして世界記録になっています。

その数なんと1秒間に2万5088ツイートです!

東日本大震災の時ですら5530ツイートが最高だったようなので凄まじい勢いですよね。

テレビショッピングの言葉のチョイス

「ジャパネットたかた」などのテレビショッピングにはバンドワゴン効果を利用した言葉が使われています。

例えばこういったテレビショッピングで良く使われる言葉に「現在お電話が殺到していて、お電話が繋がりにくくなっています。」というものがあります。

テレビの前でこれを見た視聴者はどういう事を考えるでしょうか?

自然と「沢山の人がこの商品を注文しようと電話をしている姿」が頭に浮かんでくるはずです。

これがこの言葉に含まれている本当の意味で、「沢山の人がこの商品を注文しようとして電話をしている姿」を想像させる事で自然と視聴者を購入したい気持ちにさせる意図があるのです。

楽天やアマゾンのレビュー、口コミ

楽天やアマゾンなどのネット通販には必ずレビューや口コミなどが掲載されています。

レビューや口コミには商品の評価を知る事ができるという意味も確かにあるのですが、実はバンドワゴン効果を作る事ができるという意味合いもあります。

具体的にはレビュー数が多いとバンドワゴン効果が生まれます。沢山のレビューや口コミを読むことで自然と買いたい気持ちになるのです。

 

バンドワゴン効果をビジネスに活かすには?

次にバンドワゴン効果を具体的にビジネスに活かすポイントについてお話しします。

バンドワゴン効果はさりげなく演出する

バンドワゴン効果をビジネスで使う場合あまり露骨に演出するのは逆効果です。

何故ならあまりに露骨に演出されると「売り込み感」が強く出るからです。「みんな使っているんだからあなたも買うべきです」と強く言った所で、売り込まれていると感じた人の多くは本能的にその場から去ってしまうのです。

だからあまり売り込み臭は出さなず、あくまで自然なかたちで使うのが懸命です。

嘘をつかない

いくら集客したいからと言って嘘をつくのもやめた方が良いでしょう。

例えばお客さんが殺到してもいないのに、お客さんが沢山溢れているみたいな事を言ったり、使ってもいないのに架空の口コミを載せたりしたりする事です。

実際に利用した人はスグに嘘だと感じ大切な「信用」を失ってしまう事になります。

お客さんがいないであろう雰囲気を醸し出してはダメ

ここまでバンドワゴン効果についてお話してきたので今更言うまでもないかもしれませんが、もしお客さんを集めたいのであればお客さんがいないであろう雰囲気を醸し出すような事をしたり言ったりするのは止めましょう。

これは実際にまだ集客できていなくて売り上げがあがっていなくても同様です。というか、むしろ集客できていないからこそお客さんがいるような雰囲気作りが重要になります。

2ヶ月くらい前僕の家の近くにマッサージ屋さんが出来たのですが、そこでオープン先着30名様まで2000円で施術が受けられるキャンペーンをやっており、広告がでていました。

この前その建物付近を通りかかったので、マッサージ屋さんをみてみるとまだキャンペーンの広告がお店に貼ってありました。

その時「このままだとお客さんはこないだろうな〜」と思いました。

だってず〜っと先着キャンペーンの広告が貼ってあるのをみた人は「このお店はお客さんが入ってないんだろうな」と感じます。

そうすると多くの人は入るのを躊躇ってしまいます。(特にはじめてのお客さんは)

 

まとめ

バンドワゴン効果は凄く効果が高い方法なのでここで理解を深めてもらい、ビジネスに活かしてもらえたら嬉しいです。

それではありがとうございました。