仕事で上司や同僚に現状を報告する時や取引先の人に何かを伝えたい時など、社会人は他人に説明をする場面が非常に多いです。
そこで上手く説明できるかどうかによって仕事の成果が変わってくる事も多いため、説明する力というのは非常に重要なスキルとなり得ます。
ただ単に「説明」とは言っても色々なかたちがあります。
例えば文章なのか口頭なのか、誰へ説明するのか、プレゼンテーション形式なのか・・・など
その中でも今回テーマにしたいのは「口頭でとっさに説明を求められた場合にどうやったら上手に説明できるようになれるのか?」についてです。
なぜこのテーマを選んだかと言うと、「口頭で」なおかつ「とっさに」説明を求められた時が最も顕著に上手く出来る人とそうでない人が分かれると経験的に感じたからです。
ちなみに僕は文章やプレゼンなど、じっくりと考える時間があれば説明する事は容易だと感じますが、さっき起きたような出来事を「じゃあ詳しく説明して」と言われると困ってしまうタイプの人間でした。
過去形なのは昔よりも幾分とっさの説明もできるようになってきたという感触があるからです。
何をする事で自分の説明する力が上がったという感触を得る事ができたのかについて自分が思う所をまとめてみたので読んでみて下さい。
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あなたはなぜ説明が下手なのか?
はじめに少しやってみて欲しい事があるのです。
今からやってみて欲しい事というのは、あなたがなぜ説明が下手なのかを知る為のイメージトレーニングです。
あなたの前に見ず知らずの人がいるとイメージして下さい。
その人に向かって、
最近読んだ本や映画もしくは感情が高ぶった出来事(怒ったり・嬉しかった)について、(実際に口に出して)説明してみて欲しいのです。
これをやると、説明する時に自分が得意でないポイントがある程度分かってきます。
例えば説明が簡潔で短かすぎたりした場合は、普段でも説明不足で相手に伝わっていない事が多いかも知れません。
逆に起こった出来事全てを説明していくような感じであれば、普段でも要点が押さえられていない説明になっている可能性があります。
また言葉に詰まってしまって上手く説明できなかったという人も多いかも知れませんね。
上手く説明できたという人も本や映画、出来事を変えていくつかやってみると「あれ?今度は上手く説明できてない」と感じるところがでてくるはずです。
後半のところでこの訓練で感じた事が役に立つので、今のところは「上手く説明出来なかった感覚」を覚えておいて下さい。
説明が下手な人の3つの特徴
どうすれば上手く説明ができるようになるのでしょうか?
そのためには、説明が下手な人について理解する事が大切です。理解する事でどうやったら上手くできるようになるかを考える事ができるようになれます。
説明が下手な人の特徴を考えてみると、大きく4つに分ける事ができます。
要旨が捉えられていない
- 全てを説明しようとする
- 詳細にこだわりすぎる
- 結論がみえない
自分が説明したいことの要旨(要点をかいつまんだ内容)がつかめていないと、全てを細かく説明しようとしたり、結論がみえない説明を長々としてしまうようになります。
受け手の理解度を考えていない
- 専門的な話や用語を説明なく使う
- 主語がない事が多い
- 話に疑問点が残る
説明が下手な人の特徴として、これから説明する内容を受け手側がどこまで理解しているのかを把握していない、もしくは考慮していないという事があります。
相手がある程度こちらの話す内容を知っている場合は専門用語を使っても良いかもしれませんが、はじめて話す内容なのに専門用語を連発したり、主語がなくどんどん話を進めたりすると相手は話がみえなくなっていきます。
また受け手の事を理解していないため、話す内容が相手が持つであろう疑問に的確に応える内容にならない場合が多いのです。
1つ1つの出来事の整理がついていない
- ところどころ詰まりたどたどしい
- 話題があちこちに飛ぶ
- 論理的におかしい
1つ1つの出来事の関連性や重要性などの整理が頭の中で出来ていないと説明を上手くすることはできません。
とっさに説明を求められて、的確に説明できる人は恐らくこの能力が高いのではないかと思います。
話をしているうちに自分でも何を話しているか分からなくなってしまったり、話題があちこちに飛んだり、論理が破綻していたりするのは、頭の中がごちゃごちゃで整理されていないからです。
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説明が下手である原因として考えられること
次に先ほどの説明が下手な人の3つの特徴を踏まえて、なぜ説明が下手になってしまうのかを考えてみましょう。
要旨を考える思考習慣が無い
なぜ出来事の要旨が捉えられないのでしょうか?
恐らくこれは日頃から自分の頭で考える癖が無いというのが一番の原因であると思います。
日常的に「これは要はこういう事だろう、だから自分はこう考える」という思考習慣を持っていると、急に説明を求められてもできるようになるのです。
周りの人が何を考えているのかに興味・関心が薄い
受け手の理解度を無視した説明をしてしまう人は、日頃から周りの人の気持ちに興味が薄いが故に受け手を考慮しない話し方をしてしまうのです。
周りの人と打ち解けあって良く談笑しているような人は、いつも相手が求めていることを敏感に感じ取っているので、説明をする時も相手の側に立って上手に話をすることが多いです。
僕は以前メーカーの営業をしていたのですが、技術職で機械いじりにしか興味がないという人は、相手の気持ちや状況などを考えず一方的に専門的な内容を話したりぶっきらぼうな口調で説明をしたりする事が結構多かったのです。(もちろんそんな人ばかりではありませんが。。)
ワーキングメモリーが少ない
なぜとっさに1つ1つの出来事が整理ができないのか?
多分これはワーキングメモリーの数が関係しているのでないかと思います。
ワーキングメモリーについては以前の記事でも扱いました。
→「仕事で失敗ばかりする人はワーキングメモリーが少ないことが原因だった」
ワーキングメモリーとは短期的に物事を記憶しておく記憶装置の事で、おつかいの食材や今日やることリストなどを思い出したりする時にワーキングメモリーは使われます。
ワーキングメモリーの数は人によって持っている数が異なり、多く持っていればいるほど並行してできる仕事の数は増えます。持っていなければミスが頻発するかそれ自体を忘れてしまう事が多くなります。
説明上手になるための具体的な3つの方法
それでは説明上手になるための方法についてお話します。
具体的には3つの事をすれば説明がうまく出来るようになっていくと考えています。
「要はどういう事?」と考える癖をつける
身の回りで起こる出来事について、「要はどういう事なの?」と考える癖をつけましょう。
最初は上手く考える事ができなかったり面倒に感じますが、これを行う事で少しずつ説明する力がついていきます。
別に正論を言う必要は全く無いので、自分なりの要はこういう事だろうというのを考えるようにしてみましょう。
場数を踏む
恐らく説明上手になるために一番重要なのが「場数を踏むこと」です。
とにかく様々な事を説明する経験を繰り返すうちに頭の中に沢山の説明パターンが出来上がっていきます。そうなれば自然と説明上手になっていきます。
先ほど言った「要はどういう事?」とセットで実際にそれを口に出してみることも良い方法ですし、冒頭の方で行ったように本や映画、出来事について意識的に他人に説明するのも良いですね。
周りの人の欲求に敏感になる
日頃から周りの人の気持ちに注意を払っておきましょう。
特に重要なのが周りの人が何を求めているか(欲求)を考えることだと思います。
最初は「この人は今健康の問題で悩んでいるな」とか「子供の事が一番関心があるのだな」とかで良いですが、そういった形で相手に関心を持って付き合っていると相手の理解度や気持ちなどが不思議と理解できるようになります。
周りの人に興味が薄いという人は、意識的にそういう意識を持って人と付き合うようにしてみる事をオススメしたいですね。
まとめ
説明が下手であると仕事で誤解されたり、評価されない事が起きたりします。
少しでも説明が上手く出来なくて困っているという人に今回の記事が役に立てたら嬉しいです。
それではありがとうございました。