「頑張って仕事をしているつもりなのに失敗ばかりしてしまう・・・」
「ミスばかりしてしまう人とミス無く迅速に仕事をこなす人(いわゆる仕事がデキる人)は一体何が違うのだろう?」
こんなふうに感じたことはありませんか?
実は・・・
失敗が多い人と少ない人とでは、仕事を処理する時の脳の使い方に大きな違いがあったのです。
この記事ではミスが多い人がどうすればミスをなくし、迅速・確実に仕事をこなすことができるようになれるのかについて解説をしていきます。
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なぜ人は失敗をしてしまうのか?脳の仕組みを解説!
どうしてミスばかりしてしまう人がいる一方で、多くのことをテキパキとミスなくこなせる人がいるのでしょう。
これは脳の使い方に秘密があるのです。
失敗の原因はワーキングメモリーの数の違いにあった
何か作業する時などに人間は無意識に、ワーキングメモリーというものを使用しています。
ワーキングメモリーとは記憶の一時保管庫のようなものです。私たちは日常的にワーキングメモリーを使っています。
例えば、おつかいを頼まれ大根と人参をお願いされた時に、一時的に「大根と人参」を覚えておく際にワーキングメモリーは使われているのです。
ワーキングメモリーとはイメージ的には頭の中にある作業台のことです。人は何かを一時的に記憶したい時にはその作業台を1つ使用し、仮に記憶を保管しておくのです。
注意したいのが、ワーキングメモリーの数は人によって異なるという点です。
多くの事を頼まれると焦ったり、思考がとまってしまう人や昔からミスが多いことが多かった人はワーキングメモリーが少ない可能性があります。何故なら、すぐにワーキングメモリーが容量オーバーになり、思考が上手く機能しなくなったりフリーズしてしまうからです。
逆にワーキングメモリーが多い人は、沢山の事を頼まれても記憶容量に余裕があるので失敗なくパパっと作業をこなすことができるのです。
つまり、ワーキングメモリーの数が多いか少ないかによって、失敗をし易いかどうかがある程度判断できるということです。
ちなみに、平均して3つのワーキングメモリーを持っている人の数が多いようですね。
でも、ワーキングメモリーの数が元々少なくて、ミスが多いという人は一体どうすればよいのでしょうか。
人よりワーキングメモリーの数が少ない人が、仕事を迅速・確実にこなす人になることはできないのでしょうか?
答えは「可能」です。
何故なら「ワーキングメモリーの数はトレーニングによって増やすことができる」ことが分かっているからです。
ワーキングメモリーの数は増やすことができる
ワーキングメモリーの数を増やすためには大きく分けて2つの方法があります。
1つは即効でワーキングメモリーの数を一時的に増やす方法と、2つ目はワーキングメモリーの数自体を増やす方法です。
前者はすぐに効果がありますが、効果が短期間で終わってしまうやり方で、後者は効果が現れるのは遅いですが、ベースとなるワーキングメモリーの数自体を増やすことができる方法です。
ベースとなるワーキングメモリーの数を増やすためには、ある程度の時間が必要となるのが正直なところです。
そのため、はじめのうちは少ないワーキングメモリーでやりくりすることがどうしても求められます。
詳しいワーキングメモリーの鍛え方については後ほど述べますが、
失敗を少なくするための当面の戦略としては、ワーキングメモリーを増加させる努力をしつつ、現状の少ないワーキングメモリーでミスなく仕事を処理するやり方を実践することです。
というわけで、まずは少ないワーキングメモリーでもミスをしなくなる仕事の仕方についてお話しし、その後にワーキングメモリーを増やす方法をお話ししていきます。
ミスが自然と少なくなる仕事のやり方
ミスが自然と少なくなる仕事のやり方、それはワーキングメモリーにできるだけ余裕を持たせることです。
意識的にワーキングメモリーに空きを作れば、記憶容量が一杯になってしどろもどりになったり、テンパってミスを連発することを防ぐことができるからです。
テンパってしまいそうになったり、多くのことをやらなければならない時は以下の事を特に意識して実践して下さい。
やることリストを作り、目に見えるところに貼っておく
ミスが多い人は必ずやることリストを作るようにして、それを目に見える位置に張るようにして下さい。
この効果はミス防止だけでなく目標達成にも効果抜群です。
なぜやることリストを作ることが良いのかというと、やることリストを作ることで、やるべきことが一望でき、その都度やることを思い出したり、他の無駄な事を考えたりするといった、ワーキングメモリーの無駄を省くことができるからです。
また今、やるべきことに集中できるようにもなるので、ミス防止にもなりますし、作業効率もアップします。
やることリストは常に目に見える位置に貼っておくことも重要な点です。
スマホにやることリストを作っていると、いちいちスマホを開いたりしないといけないので、気が散ってしまったり、忘れてしまいがちになります。
ですから、紙に書いて貼っておく、もしくはワードかメモに印刷しておくか、ホワイトボードに書くかしておきましょう。
私は個人的に、自室に1m×2mと大きめのホワイトボードを購入してやることリストを書いていますが、作業効率が驚くほどあがりましたし、やることの抜けが全くといってよいほどなくなりました。
常にホワイトボードにやることが書いてあるので、それを自然と意識するからだと思いますね。
オススメは大きめのホワイトボードを買うことですね。最初は百均などで売られているA3位のホワイトボードにしようとしましたが、大きい方が良いかなと思い、かなり大きめのホワイトボードを思い切って買いましたが、結果大正解でした。
サイズが大きいので、長期的な目標と今やるべき目標の2つを書くことができますし、マグネットなども活用しやすいです。サイズも大きいので見やすくやる気も湧いてきやすくなりますよ。
1つの作業に集中する
ワーキングメモリーが少ない人にとって一番良くないのが多くのことを同時にこなすことです。
これはワーキングメモリーを圧迫するばかりか、脳にも負担がかかり脳を疲労させ集中力を失わせる原因にもなります。
ですから、やるべきことが多い時はそれらを分解し一覧にしてから、1つずつやっつけていくようにして下さい。
他の作業が入りそうなら、優先順位を設けて1つを終えてから次の作業をするようにするのです。
メモを取ることを習慣づける
ミスが多い人はメモを取る習慣をつけるようにしましょう。
重要な要点をメモとして記録することで、ワーキングメモリーを働かせずに記憶しておくことができます。
メモを取る時のポイントは重要な要点にしぼってメモすることです。メモを習慣にしていても、1から10まで全ての事を細かく書いている人がいますが、これではどこが重要かがわかりません。
大切なのは要点を記録し、それを分かる形で残しておくことです。
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ワーキングメモリーの数を増やすための具体的な方法
ワーキングメモリーの数を増やす方法には2つの方法があります。
1つは、短期的にワーキングメモリーの数を増やす方法と2つ目はワーキングメモリーの数そのものを増やす方法です。
ワーキングメモリーの数は、その人の健康状態によっても左右されます。
どういうことかと言えば、普段はワーキングメモリーを3つ持っている人も、非常に疲れた時には2つに減ったり、体調がとても良い時には4つに増えたりするという事です。
つまり、ワーキングメモリーを短期的に増やす方法とは、自分の身体の調子を良い状態にすることなのです。
ワーキングメモリーの数そのものは、ワーキングメモリーを頻繁に使うことで増やすことができます。つまり筋肉と同じように、ワーキングメモリーを使う訓練をするうちに次第にワーキングメモリーの数が増えていくというわけです。
あくまで推測ですが、現状仕事がデキる人と呼ばれる人はワーキングメモリーを鍛える努力を、小さい頃から長年に渡って無意識のうちにしてきた人達なのかもしれません。
以下に具体的な方法をご紹介します。
睡眠をしっかりと取る
短期的にワーキングメモリーを増加させる方法の1つに睡眠を十分にとることが挙げられます。
睡眠時間ですが、睡眠は7時間以上を取るようにすると効果的です。それ以下であると作業効率や認知力が落ちミスをしやすくなることが分かっています。
もし睡眠不足が続いているのであれば、どこかで十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
瞑想をする
瞑想も身体の状態を保つのに良い効果があることが分かっています。
最近ではスマホなどの電子機器を使う事が増えました。これらを使用する頻度が高いと脳が段々と疲労していくことが分かっています。現代社会では多くの人が慢性的に脳が疲れている状態ということです。脳が疲れると、当然ワーキングメモリーの機能も一時的に落ちてしまいます。
瞑想には、一旦それらをリフレッシュしてくれる効果があり、継続することで集中力が向上することが知られており、近年ではGoogleなど世界的な企業が瞑想を取り入れています。
有酸素運動をする
有酸素運動も脳の活性化に対して効果が高く、有酸素運動を行うことでワーキングメモリを使いやすい状態にすることができます。有酸素運動をした後はワーキングメモリーが上昇したという報告もあり、短期間ではありますが、とても即効性が高い方法と言えるでしょう。
読書をする
本を読んで著者の言いたいことを理解する読解力とワーキングメモリーには相関関係があることが分かっています。
つまり本を読んで読解力を向上させていけば、ワーキングメモリーも自然と鍛えることができるというわけです。
恐らく本を読んで論旨を理解するためには、文脈の前後などをワーキングメモリーに記憶して考える必要があるので、自然とワーキングメモリーの訓練になるからだと思います。
記憶力を使う作業をする
記憶力を使うような作業をすることは、ワーキングメモリーの数を増やすことに繋がります。記憶力を使う事として、一例ですが計算問題を暗算で解いたり、本をみずにレシピを覚えて料理を作ってみるといったことがあります。意識して記憶力を使う活動をするようにしましょう。
ただし、記憶力を使う作業にも強弱があることに注意が必要です。ワーキングメモリーを増やしたいのにも関わらず、記憶力の負荷が軽い作業ばかりをやっていてはワーキングメモリーが大きく向上していく可能性は低いでしょう。
ワーキングメモリーを向上させたいのであれば意識して、記憶力を使う負荷が高い作業を行う必要があります。
記憶力の負荷が高いものには、例えば資格を取ったり、仕事の勉強をするなどが挙げられます。
記憶力を使う訓練を続けることでワーキングメモリーは次第に増えていきます。
まとめ
参考書籍
今回の記事執筆にあたって「絶対にミスをしない人の脳の習慣」(著:樺沢紫苑、出版社:SB Creative)を参考にさせて頂いた部分は非常に大きく、特にワーキングメモリーという知見は目から鱗でした。
ワーキングメモリーについて更に詳しく知りたい場合は、上記の書籍をご覧いただければ、よりワーキングメモリーの活かし方を知ることができます。良書ですので是非読んでみて欲しいと思います。
ここまでありがとうございました。