2017年に警察庁より発表されたパチンコの出玉規制の内容に業界は衝撃を受けているようです。
というのも、これまでパチンコ規制は何回もおこなわれてきましたが、今回の規制内容は業界の存続を揺るがすほど大きなものだからです。
ただこの規制に関しては色々と疑問がでてきているようで、
例えば、なぜこのタイミングでこんなにも規制強い規制がおこなわれるのか?建前は依存症を減らす目的で施行されるようだが実際に効果があるのか?これからパチンコの規制緩和がおこなわれる可能性はあるのか?既存の機種はどうなるのか?
(というか規制内容をみると明らかにパチンコをギャンブルとして認めている側面があり、だったらパチンコを全て無くせよ!といいたくなりますが・・・)
などです。
今回の記事では改めてパチンコ規制の主だった内容をまとめるとともに、先程あげた疑問点について考えていきたいと思います。
ちなみに僕はパチンコが無くなれば世の中がもっと良くなると考えているので、こういった規制については賛成ですが、この規制によってどの程度パチンコ人口を減らすことに繋がったり、依存症を減らすことができるのかについて特に注目して記事を書いていきます。
僕自身ギャンブル依存症だった経験があり、パチンコ中毒だった時と依存症を克服した後の世界では、断然パチンコの無い世界が幸せだと言えます。
だからこそ規制をして欲しいという思いもありますね。
それについては、こちらの「パチンコ・スロットをやめたら驚くほど幸せな人生が待ってる」に書いてあるので是非あわせて読んでみて下さい。
スポンサードリンク
Contents
2017年に発表されたパチンコとスロットの主だった規制内容
まずはじめに、2017年に警察庁から発表されたパチンコとスロットの規制について、主だった規制内容について改めて振り返ってみたいと思います。
(2018年2月に施行されるパチンコの規制内容ですが、警察庁が2017年8月24日に正式に発表した内容による)
2018年施行パチンコの主な規制内容
・4時間遊戯した場合の出玉を現行の3分の2まで下げる(つまり4時間で5万円以内の出玉にすること)
・1回の大当たり上限2400発→1500発へ引き下げ
・射幸性を抑えるために、出玉情報を容易に把握できるようにすること
・パチンコに6種類までの設定を認める
2018年施行スロットの主な規制内容
・1回の大当たり払い出し上限を480枚→300枚へ引き下げ
・スロットについてもパチンコと同様に遊戯獲得性能について新基準の新設を行う(6号機の導入ということ)
・出玉性能の改正及び中時間試験の採用
現行 | 改正後 | |
---|---|---|
400G | ~300% | 33.3%~220% |
1600G | なし | 40%~150% |
6000G | ~150% | 50%~126% |
17500G | 55%~120% | 60%~115% |
現行の主力機種の動向について
6月2日に全日遊連(ホール側の組合)と日電協(パチスロメーカーの組合)との会合が行われ、5月に警察庁から高射幸性パチスロ機などの取り扱いの再検討を要請を受けていた件(いわゆる旧基準機の撤去期限の見直し)について、日電協側からの撤去スケジュール案が出されました。
日電協側からの撤去スケジュール案の内容とは…
1次~3次の段階を踏んで旧基準機すべてを撤去する。1次リスト
【撤去期限】平成29年11月末
【対象機種】平成28年12月31日以前に検定切れの機種
【代表的な該当機種】バジリスク絆、アナザーゴッドハーデス、魔法少女まどかマギカ、モンスターハンター月下雷鳴、北斗の拳転生の章 …など合計約27万台2次リスト
【撤去期限】平成30年5月末
【対象機種】平成29年1月1日~平成29年12月31日に検定切れの機種
【代表的な該当機種】沖ドキ!、沖ドキ!-30、ミリオンゴッド神々の凱旋、黄門ちゃま喝 …など合計約25万台3次リスト
【撤去期限】平成30年11月末
【対象機種】平成30年1月1日以降に検定切れの機種
【代表的な該当機種】北斗の拳強敵、ガールズ&パンツァー …など合計約9万台
バジリスク絆やゴッド神々の凱旋,アナザーゴッドハーデス、まどか☆マギカなどの主力機種ですが、まだ確定はしていませんが、ゴッド神々の凱旋、沖ドキなどの比較的検定が新しい機種は2019年の5月末まで、それ以外の機種は概ね今年の11月末で撤去されるとの情報があります。(約50万台程度が撤去される)
日本におけるスロットの設置総台数は約165万台程度なので、約3分の1が撤去されることになります。
2019年の5月でほぼ現行の主力の5号機は失くなってしまうという感じですね。
パチンコについても台の撤去のウワサはありますが、今のところ確からしい情報はありませんでしたが、マックス機が撤去されたことや、釘の調整を禁止したりなどの規制が実施されたこともあるので、しばらくの間は撤去の動きは少ないのではないかと予想されます。
警察はパチンコをギャンブルと認識している!
日本では賭博行為は禁止されています。(競馬やボートレースなどは公営、国が運営しているので一応OKということになっているようですが・・・)
上記のような規制をみると、警察はパチンコを賭博と認識しているじゃん!とツッコみたくなります。
そもそも賭博が禁止されているのは、風俗を害し、公共の福祉に反するからです。(簡単に言うと賭博は多くの人を不幸にするから禁止されているということです)
賭博であれば本当は取り締まらないといけないはずですが・・・
まあそれは今回の話とは異なる話ですので、このくらいにして、このことについてはまた記事を書きたいと思います。
パチンコ規制が2018年に施行される2つの理由
なぜこのタイミングで、パチンコとスロットに強力な規制を設けることにしたのでしょうか?
それには大きく分けて2つの理由が考えられます。説明していきましょう。
国はカジノ法案成立に伴い国営ギャンブルの比率を増やしたい
この度カジノ法案が成立し日本にカジノが設置される動きが強まってきたことを受け、国としてはこの機に国営ギャンブルの比率を増やしたい狙いがあります。
パチンコの市場規模は20兆円超えの超巨大な産業であり、それに対して競馬、競輪、宝くじなどの公営ギャンブル全体の市場規模は約7兆円程度でパチンコ業界の3分の1程度です。
カジノが設置される流れを受け、民間で運営されているパチンコ業界に規制をかけ、パチンコ遊技人口を減らし、その分国営ギャンブルのカジノなどの遊技人口を一気に増やしたいのです。
日本の税収は現在57兆円程度なので、もしパチンコからカジノへ遊技人口が移れば国としては莫大な収入となるでしょう。
東京オリンピックが2020年に開催される
パチンコ規制がされる理由の2つ目が2020年に東京オリンピックが開催されるからです。
日本ほどパチンコ・スロットというギャンブル場が溢れている国は他にありません。(何故なら他の国では公共の福祉に反するため、カジノなどを設置する場合には強い規制を設けているからです)
つまり外国人からみれば、これほど賭博場がある日本は異常にみえるのが通常。
また国からするとオリンピック開催国として賭博場が溢れているのは、国際的なイメージが非常に良くないという思惑も当然あります。
こういった理由もあり今このタイミングでパチンコ規制を強くしていると考えられます。
スポンサードリンク
これから先パチンコ規制緩和の可能性はあるのか?
現在パチンコは規制される方向に向かっていますが、こういった規制が緩和してくる可能性はあるのでしょうか?
(個人的には人を不幸にするパチンコ業界に対して、このまま規制をさらに強くしていき、パチンコ業界が無くなるほど縮小していけばいいと考えていますが)
これまでのパチンコ規制とメーカーの対策について
これまでのパチンコ規制の流れを振り返ってみると、概ね以下のような事が繰り返されてきました
①パチンコ・スロットが社会問題となる(依存症の増加、パチンコの借金で自己破産する人の増加等)
↓
②パチンコ・スロットが社会的な問題と認識される
↓
③規制の実施
↓
④しばらくするとメーカーは規制の抜け道を突いた射幸性の高い機種を作る
↓
⑤ ①〜④のループ・・・
この流れの繰り返しで、これまで一度もパチンコの規制緩和が実施されたことありません。
そのため今後もパチンコの規制は続くと考えられます。
(確かに昔はスロットで1回当たれば1時間もかからずに10万円儲かったりしていたので、以前のパチンコに比べるとかなり射幸性が下がってきてはいますね)
東京オリンピック以降は規制緩和に向かう可能性もある!?
ただ、先程お話ししたように。東京オリンピックに向けてパチンコの規制を強くしているという思惑もあるので、もしかすると東京オリンピックが終わった後にパチンコ業界の規制緩和が起こることも考えられます。
パチンコ業界は20兆円以上の規模なので、政府からするとパチンコ業界の税収は莫大なものがあるので、規制緩和して甘い汁を吸うことを考えるかもしれません。
ギャンブル依存症対策に本当にこの規制は効果があるのか?
今回の規制を行う目的ですが、警察庁は射幸性を下げる目的、ギャンブル依存症を減らすことを目的としているようです。
しかし、今回のパチンコの規制内容は本当にギャンブル依存症対策に効果があるのでしょうか?
僕自身ギャンブル依存症だった経験があるので、そういった経験を踏まえて考えていきたいと思います。
そもそも今回の規制は誰がどうやって作ったものなのか?
今回のパチンコ規制がどのような流れで作成されたのか詳しいことは調べても残念ながら分かりませんでしたが、今回の規制改正はどうやら、ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議で議論された内容を基にして規制内容が決められたようです。
このギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議はどういったメンバーで構成されているのか調べてみると、
会議の構成員は、総務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経 済産業大臣、国土交通大臣、内閣府特命担当大臣(金融)、内閣府特命担当大臣 (消費者及び食品安全)、国家公安委員会委員長及び内閣官房長官とする。 会議には、必要に応じ、関係者の出席を求めることができる。
とのこと。
実際どういう顔ぶれだったのか教えてほしいところではありますが、
(必要に応じて関係者の出席を求めることができることもあるようですが)本気でギャンブル依存症対策を考えるのなら、なぜもっとギャンブル依存症だった人の声などを聞き規制案を作ろうとしないのでしょうか。
こういった会議に出席している人たちの大半はパチンコしたことないでしょ。それなのにどういった対策をすれば効果的かなんて分かるはずがないわけです。
パチンコ規制には賛成、でも今回の規制内容ではギャンブル依存症対策の効果は弱い
というわけでギャンブル依存症に対してトンチンカンな人たちが作ったかもしれない今回のパチンコ規制ですが、どの程度効果があるのでしょうか?
ギャンブル依存症を治すには、ギャンブルから完全に足を洗うしかありません。だからパチンコを無くすのが一番良いのですが、現実問題そういうふうにはなっていません。
ちょこちょことパチンコの頻度を落としていきつつギャンブルをやめれるなんてことはありません。ギャンブルをキッパリとやめるか、お金も時間も取り返しのつかなくなるまでやるか、どちらかしか無いのです。
ギャンブル依存症がなぜ問題があるのかというと、ギャンブルに依存なることで人生を破壊されてしまうからです。
だからギャンブル依存症の対策をするとしたら、ギャンブルをやったとしても生活などに被害が及ばないように出玉や投資、来店者などを抑制することしかないと考えています。
そして僕はパチンコ・スロットの規制をするとしたら以下のような対策が最も効果的だと考えています。
投資の金額が非常に少ない、もしくは投資金額の上限がある
1日に使うパチンコへの投資の金額が給料などの収入に対して問題無いくらいであれば、少し依存的になったとしても生活を圧迫することはありません。
ですからギャンブル依存症対策を本気でするなら、投資の金額を抑制するような規制を盛り込むべきです。
例えば1万円以上投資できないようなシステムにするか、収入に対して投資額を決めるようなシステムにしてそれ以上はどのパチンコ店に行こうが遊戯できないようにするなどです。
当たった時の金額を小さくする
ギャンブル依存症になぜなってしまうのかというと、大当たりした時の快感が強力だからです。
現在パチンコで1回大当たりすると約1万円程度のお金が懐に入る場合もありますが、これがもし数百円であれば馬鹿らしく全く嬉しくもないでしょう。
だから1回の大当たりを最大で3000円程度にして当たっても過度に嬉しくないようにするのです。
適正な頻度・投資額の人しか入店できないようにする
パチンコに依存的になっている人がいた場合、例えば毎日朝から晩までパチンコに行っていたり、1回で10万円以上使っている人などはもう入店できないようなシステムにすべきです。
パチンコに行くのは個人の自由だから好きにお金を使えば良いという意見もありますが、もしギャンブル依存症であるのなら、それは個人の自由というよりも、頭では絶対ダメだと思って行きたくなくても体が勝手にパチンコ屋に行ってしまうのです。
言わば麻薬中毒のような状態で、頭までパチンコに支配されているので借金しようが破滅するまでパチンコをし続けます。
だから、そこはギャンブルを管理する側が公共の福祉のために規制をかけるべきだと思うのです。
というか、国民に著しく不利益を与えるものは国が厳しく規制をかけるのが当然なのに(例えば食品で有害、危険性があるものについては即座に販売停止がかかりますよね)、なぜ人生を壊す可能性のあるパチンコ・スロットが野放しにされているのか疑問です。
今回の規制は出玉の規制に関することが主な内容でした。その一方で遊技者の投資を抑えるということについては全く触れられていません。
ですから、もっと上記の内容を盛り込んで規制内容を作れば効果的な規制となると思います。
まとめ
パチンコの規制を今後とも強くしていき、将来的にはギャンブルの無い国になって欲しいと思います。
それが日本のためになると思いますし、個人としてもパチンコが無くなることで幸せになる人が増えると思います。