突然ですが2017年に大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」をご存じでしょうか。

新垣結衣さんと星野源さん主演で主題歌「恋」のダンスが大変話題になりました。ドラマのあらすじは主演の二人がひょうなことから契約結婚をし、次第にお互い恋愛感情が芽生えてきて・・・というものでした。

この作品の最も大きな特徴で面白さでもあるのが、主人公の星野源さん演じる平匡の「自己肯定感の低さ」です。

作中で「自尊感情」が低い人として描かれていた平匡は、新垣結衣さん演じるみくりと深い関係になろうとすると、自分から先に新垣さんに対して壁を作ったり、無理やり嫌いになったりして自分が傷つくのを巧みに回避していました。(二人の関係がなかなか深くならないのを視聴者はやきもきして毎週みている感じでしたね)

ドラマほどコミカルにはいきませんが、現実社会では「自己肯定感」が低いとコミュニケーションが上手くいかなかったり、自己嫌悪に陥ったりと様々な問題が起きることがあります。

私自身「自己肯定感」というものについてかなり前から興味を持っていて、

社会人として働きながら沢山の本や自分自身の経験を考えながら大学生の頃から現在まで自分の課題としてずっと考えてきました。

そういった事も踏まえながら、そもそも「自己肯定感」って難しそうな言葉ですが、一体どういう意味なのかや、どのようにすれば大人になったあなたが自己肯定感を持つことができるようになるのかについて分かりやすくお話ししていこうと思います。

本当に自己肯定感を持つことができると人生が一変します!是非、自己肯定感が持てないという方はこの記事を読んでみて下さい。

それでは自己肯定感について学んでいきましょう。

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自己肯定感とはあるがままの自分を認める感覚

まず最初に自己肯定感とは一体どんなものなのか、具体的にイメージを持ってもらうために簡単に説明していきます。

自己肯定感とは、自分自身であるがままの自分を肯定している感覚の事です。(ちょっとややこしいですね)

ここで言うあるがままの自分とは、どれだけ能力があるのかや容姿が良いといった外面的な要素ではなく、自分の中心にある純粋な部分の事を指します。

わかりにくければ、自分自身の子供の頃の無邪気でピュアな自分を想像してみて下さい。その子供の頃の自分を自分でまるごと認めているという感覚です。

よく自己肯定感が高いとか、低い言われる事がありますが、これはあまり適切な表現ではありません。

何故ならあるがままの自分を認めることに高いも低いも無いからです。

正しく言えば、「自己肯定感を持っている」もしくは「自己肯定感を持っていない」という表現になるでしょう。

ただ、一般的には自己肯定感が高い、低いという表現が浸透していることから、あえて今回の記事では「自己肯定感を持っている=自己肯定感が高い」「自己肯定感が低い=自己肯定感が持てていない」として説明していきますので、ご了承下さい。

 

あるがままの自分とは自分のコアのこと

人間は生きていくうちに自然と様々な能力や財産を獲得していきます。具体的には勉強ができる能力、仕事を遂行する能力、どれだけお金を持っているのか等挙げればきりませんが・・・

これらは全て人間の外面的な部分にあたるものです。

あるがままの自分はその中心にあり、言わば「自分のコア」にあたるものです。

上の2重円で説明すると、真ん中の白色の部分がコアにあたる部分で、その周りを覆っている青色の部分が先ほど説明した外面的な部分になります。

外面的な青色の部分は大きくなったり変化する事はありますが、自分のコアは本質的なものなので変わりません。

よく自信や自己肯定感を持ちたければ成功体験を積み重ねることが重要だ、という内容が書かれている本を読んだり、話などを聞いたりすることがありますが、私は違うと考えています。

自分のコアを自分で認める事ができなければ、いくら大金持ちになったり、社会的に成功を収めたところで、幸せになることは難しいのです。

というのもそういった成功はコアの外側、青色の部分をむやみやたらに広げるだけだからです。

 

自己肯定感が高い人と低い人のイメージ

どんな人が自己肯定感が高い人といえるのでしょうか?

自己肯定感をしっかりと持っている人のイメージとしては、少年漫画の主人公を想像してもらうと分かりやすいです。

「ワンピース」の主人公:ルフィや「ドラゴンボール」の主人公:悟空は自尊心が確立されているキャラクターですね。(すいません、女性の方には分かりにくいかも知れません)

どちらの主人公もどんな困難に遭遇したり、強敵が現れようとも、常に自分自身を信頼し行動をします。

逆に、自己肯定感をしっかりと持てていない人のイメージとして紹介したいのが、「ドラえもん」の主人公(?)のび太ですね。

(ちなみにのび太は成長段階の少年ですし、時たま映画などでのび太は自己肯定感を持った行動をしたりするので自己肯定感が低いと一概に言えませんが 苦笑)

のび太はテストで成績がよくなかったり、些細な失敗をしてしまったりすると、すぐに自分の事を信頼できなくなります。言い訳や愚痴を言い続けて、しまいには臆病になってチャレンジをしなくなってしまいます。

 

自己肯定感の低い人が持つ7つの特徴

一般的に言われる自己肯定感が低い、つまり自尊心が確立していない人は、普段から自分に対して、自分のコアを傷つけるような言葉を無意識のうちに投げつけています。

その結果、自分で自分のことが嫌になったり、受け入れられなくなってしまっているのです。

それでは詳しく自己肯定感を持っていない人の特徴についてみていきましょう。

自分にレッテルを張る

自分にレッテルを張るとは、自分について1つのレッテルを張り、自分はそういう人だと思い込む事です。

例えば、仕事で失敗をしてしまった時に「自分はダメな人間だ」「自分はバカだ」「自分は嫌われ者だ」などと考えて信じようとするのです。

しかし、実際に冷静になって考えてみると1つのレッテルを張って人間を判断することはできません。

今回は失敗はしたけれど、人間全てがダメな訳ではないのです。失敗をすることも確かにある、しかし上手くやることだってあるのです。

周囲と自分を比較しやすい

周囲と自分を比較して「自分はあの人より良くできない、ダメだ」と考えると、自分の力が劣っていると感じるものです。

こういった考え方が当たり前になっていると、常に周りと自分を比較して悪い部分を探すことになるので無力感を感じることになります。

人間は皆が同等の能力を持っているわけではなく、姿形が一人一人異なるように、持つ能力も異なっているのです。

だからこそ、他人と自分を比較することそのものが意味のある事ではないのです。

率直に言って、他人の方ができることを考え始めたらきりがありません。

少し極端に考えてみて下さい。日本の人口は1億3千万人、世界には76億人もの人がいるのです。これだけの人と自分の能力1つ1つを比較していくことを考えてみて下さい。必ず自分よりも優れた能力を持つ人は存在します。それで自分の優劣を測るようなことをしていたのでは、一生経っても、心の平安や自分に自信なんて持つことはできないでしょう。

比較したくなったら、「自分は独自の能力を持っていて、一人一人形は違うかも知れないけど、何か別の形で貢献すれば良い」と考えてみましょう。

決めつける

決めつけるとは、何の動機や理由も無いのに悪い予測をしてそれを信じることを言います。

「自分がやっても絶対うまくいかない」「それをやるだけ無駄」「どうせ失敗する」「こんなことを言ったら、どうせ怒られる」など自分に不利なことを考えて、あたかもそれが真実かのように行動するのです。

その他にも周りの人の機嫌が悪かった場合に「自分のせいであの人は機嫌を悪くしているに違いない」と考えたりすることも決めつけの一つです。

これらの決めつけは全く根拠のないものです。

もしこういった考えが頭に浮かんでくるのであれば、「本当にそうなのか?」と冷静に考えてみるようにして下さい。そして考えたことを実行して実際はどうだったのかを検証してみると良いです。

これを繰り返していると、次第に決めつける癖は軽減していきます。

自分に対して過度な基準を求める

自分に対して過度な基準を求めるとは、非常に高い基準を課してそれが満たされなければ絶対にダメだと考える思考のことです。

言い換えれば完璧主義的な考えと言っても良いでしょう。

こういった考えは初期に上手く機能している時は良いですが、次第に苦しくなってきます。何故なら過度に高い水準を満たし続けることは、心身を疲弊させてボロボロになりますし、もし満たすことができなければ自分のことを責めたりしてしまうからです。

自分に無茶な基準を求め、それを満たさなければ価値がないと考え続けることは不毛です。

結果ではなくプロセスに焦点を合わせるようにしてみましょう。

自分の欠点について考えがち

人間は様々な面を持っています。自分にとって良いと思える面もあれば悪いと思えるような面もあります。

そのどちらをみて人生を考えるかは、その人次第です。ただ、自分の欠点や悪い面にばかり焦点をあてて考えていると、人生そのものが楽しくなくなってきます。

道を歩いていて、右を見ればお花畑が広がっていて、左を見れば糞尿にまみれた沼が広がっているとしたら、右側を見て歩いた方が当然良い気分でいられるはずです。

時間を過ごすにしても、楽しいことを考えても嫌なことを考えても、同じ時間が経過するのです。そうであれば良いことを考えていたほうが素晴らしい時間を過ごすことができます。

欠点や悪い面を考える癖がある人は、もっと今を楽しむためにはどんなふうに考えることができるか?を考えてみるとよいでしょう。

過度に自分の責任と感じてしまう

過剰に自分に責任を感じてしまうのも思考の歪みの1つです。

例えば、友人から全く身に覚えのない事で怒りをぶつけられたとしても「もしかしたら自分の何かが悪かったのかもしれない」と自分のせいだと考えたりするのです。

つまり、少しでも厄介なことがあると自分の責任だと結論づけて一人で罪悪感を負ってしまうのです。

しかし、相手が単純にイライラしていただけかもしれません。または万が一自分の行動の何かが影響したのかもしれませんが、いきなり怒るというのは不当であり、それは相手の問題なのです。

すぐに自分の責任だと考えるのはやめて、相手の背景などを考えるようにして下さい。

過大に物事を捉える

過大に物事を捉えるとは、小さな失敗や挫折を経験した時に「人生が終わった」「もう自分はダメだ」と考えうろたえる事です。

よくよく考えてみると、人生が終わってしまうような出来事なんて滅多に起こることはありません。

もし自分が極端に考えているなと感じたのであれば、こう考えてみると良いでしょう。

あと数年後に「ああ、あんなこともあったね」と振り返ることができるのではないか?

この出来事によって死ぬことは無いよな。

まあちょっと嫌な気分ではあるけど何とかやり切ることはできそうだよな。

このように考えると気楽に物事に取り組むことができるようになれます。

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自己肯定感はどのような両親に育てられたかに影響を受ける

大人になって自己肯定感が確立されているのかどうかは、一般的にどのような家庭環境、もっと言えばどんな両親に育てられたによって大きく影響を受けます。

どのような両親に育てられたのかは子供の自己肯定感を育む上でとても重要な要素なのです。

(ちなみにその他に性的な被害にあったりいじめなど、トラウマとなるような経験をした場合にも自己肯定感を持てなくなる事があります。)

両親から温かく成長を期待し励まされ、意見をよく聞いてもらい、自分の事を十分に信頼されていると感じる環境で育った子供は自己肯定感が確立された大人になりやすい傾向があります。

反対に両親が一方的に意見を押しつけてくる事が多かったり、全く話を聞いてもらえなかったり、両親が喧嘩ばかりしていて仲が悪かったりした場合などに、子供は自分に批判的な姿勢を取る事を身につけてしまい、大人になってからも自己肯定感がしっかりと持てない傾向にあります。

少し話はそれますが・・・

ここまで読むと「じゃあ自己肯定感が持てないのは両親の育て方のせいなんだから、悪いのは両親だ!」と思う方もいらっしゃるでしょう。

それは一つの側面から見れば正しい意見かも知れませんし、もちろん両親に怒る気持ちも沸き起こるかも知れません。

しかし、大人になったあなたが自己肯定感を持ていない怒りを両親にぶつけたとしても何も生みません。むしろさらに事態を悪化させる可能性も多分にあります。

大切なのは自分で幸せを作る努力をすることです、自分の心の平穏を作り出すのは自分の責任なのです。

また、もう1つ覚えておいて欲しいのが、自分を育ててくれた両親の事情にも目を向けるという事です。

両親もあなたと同じ1人の人間ですし完璧ではなく、仕事や家庭など様々な事情を抱えて生きています。家庭を守るために必死に働き家庭のことにかまっていられない時や、個人的な悩みを抱えていた場合もあったかもしれないですし、子育てに苦悩していたのかもしれないのです。

他人に対して、相手を受け入れるような姿勢でみることができるようになると、不思議なことに自然と自己肯定感を持てるようになっていきます。いきなりは難しいかもしれませんが、是非この視点を取り入れてみてほしいです。

 

話は戻りますが、最初に説明したような完璧に理想的な環境で育てられたという人はそこまで多くは無いと思いでしょう。

子供の頃に自己肯定感を育むような環境で成長できなかったから、大人の自分は自己肯定感をもう持つことができないのかと言うとそういうわけではありません。

大人になってから自己肯定感を確立する方法はあります。

ここからはその方法について具体的にお話ししていきます。

 

自己肯定感を持つための3ステップ

自己肯定感を持つために効果的な3つのステップがあります。この3ステップを踏むことで段々と自己肯定感を持てるようになっていきます。

それでは順番にお話ししていきます。

※ちなみにこれらの3つのステップや行うべきワークなどを詳しく話しだすと、一冊の本にできるくらい長くなってしまうので、今回は要点を簡潔に述べるに留まりますが、お話することを実行すれば状況はかなり改善されていきます。

1.コアを認める・守る

まず一番初めに取り組む必要があるのが、自分のコアを認める作業です。

これが自己肯定感の基礎であり最重要事項です。

自己肯定感を確立出来ていない人が他のステップから取り組んでも自己肯定感の問題は改善していきません。

何故なら沢山の経験を積んだ所で、受け皿の部分に穴が状態空いたザルになっているからです。まずはそれを止めるスキルを身につける必要があります。

具体的に何をしていくかですが、基本的な考え方としては心の中で自分を攻撃したり、傷つけること(思考の歪み)をやめ、自分のコアを守る思考を身につける事です。

自己肯定感が持てない人は、ほぼ自動的に自分の事を責めたりする思考をおこなっています。本人にとってはあまりにもそれが自然な事なので、おかしいと気がつかない場合が非常に多いです。

では、どのようにして思考の歪みに気がつくことができるのか?

これは自分の思考をメモしておき、書き出すことが有効です。

例えば、仕事で失敗してしまったとしましょう。その時心のなかで自分に何と語りかけたのかをサッとメモを取っておくのです。

「自分は何やってもダメだな〜」「他の人はあんなに上手くできているのに、何で自分はできないんだ!」と自分に語りかけていたとしたら

そして、それを後でノートなどに書いて、どういう思考の歪みがあるのか考えてみるのです。

思考の歪みについては、自己肯定感が低い人が持つ7つの特徴で説明しました。

「自分は何やってもダメだ」と思ったら、「自分にレッテルを張る」思考の歪みがあると言えますし。

「他の人に比べて上手く出来ない」と思ったら、「他の人と比べる」思考の歪みがあると言えます。

思考の歪みがわかったら、今度はそれらを冷静になって考えて、本当にそれはそうなのかを考えてみるのです。

「自分はダメって言うけど本当にそうか?今回は上手くいかなかったかもしれないけど、いつだって全てがそうじゃないし、上手くやれることだってある。自分と他の人を比べる必要はないよな、だって一人一人持ってるものって違うし、そんなこと言い出したらきりがない」

一例でしたが、こういった形で思考の歪みを是正していくことで少しずつ自分のコアを認める・守る思考を身につけることができます。

2.コアに愛情を注ぐ

しっかりとあるがままの状態を受け入れる体制ができたところで、自分のコアに優しさや愛情を注ぐというプロセスに進みます。

コアに愛情を注ぐ方法は瞑想や過去の自分を癒すイメージトレーニングなど様々ありますが、ここでは自分一人でも行いやすく効果の高い「自分に良い言葉をかける」習慣をご紹介したいと思います。

1日少しの時間で良いので、自分を肯定するような言葉をかける習慣を持つようにしてみましょう。

具体的にはノートを用意し、自分に対して肯定的な言葉を文章で箇条書きにしていきます。

最初は自己否定の言葉ばかりが浮かんできて難しく感じるかもしれませんが、大丈夫です。次第に慣れてきます。

「私は注意深く物事をこなすことができる」

「いつも穏やかに接することができる」

「深く考えることが得意だ」

「手先が器用」など思いつくままに書いてみましょう。

これを繰り返すことで自分に対して肯定的な見方をすることができるようになりますし、自分を否定したくなるような気持ちになった時にはノートをサッと開いて、自分の良い所をみるのです。そうすると自分に自信を持つことができるようになれます。

最初にも話しましたが、コアに愛情を注ぐプロセスは、自分に対して思いやりや慈しみをって接するということです。自分を大切にするように日常生活を意識して過ごしてみましょう。

3.コアを磨き・輝かせる

2ステップ目までの自分のコアを認め・守り、愛情を注ぐプロセスをしっかりと実行できれば、自己肯定感を持つ感触を得ることができます。

2ステップ目までで作った土台を基礎に、次の3ステップ目はコアそのものをより輝かせるプロセスです。

本来の自分をより成長・発展させていくという感じですね。

自分の良い面や弱い面を受け入れた上で、資質をより伸ばしていったり、他人のために役に立つ行動をおこなっていきます。

まとめ

自己肯定感についてお話してきましたがいかがでしたか?

自己肯定感を確立することは人生を180度変化させる位のインパクトがあります。自己肯定感はそれほど重要なものなのです。

今日お話したことが少しでもあなたの自己肯定感を持つための役に立てば幸いです。